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こんにちは。
逆転裁判の続きです。
第3話『逆転のトノサマン』の続きをやりたいと思います。
10月18日、某時刻、成歩堂法律事務所。
はい、事務所に戻ってきました。
あー、疲れたなぁ、今日は。
なるほどくん、ダメだよ、くつろいじゃ。
成歩堂は疲れてるので、事務所でくつろごうとしたんですけど、真宵ちゃんに止められました。
くつろいでる暇なんてないよ。
ねえねえ、ニボサブさん大丈夫?
とりあえず、今日の法廷で話に出た人たち次第かな。
うん、前回のエピソードでまた容疑者候補が何人か挙がりましたよね。
うん。なので、その人たちの調査をしなくちゃいけません。
監督とプロデューサー?
そう。
じゃあこんなところにいないで撮影所に行こうよ。
ちょっと先に、真宵ちゃんと話をします。
相談する。
どうしたらいいと思う?これから。
ど、どうするって、さっきなるほどくんが言ってたでしょ?
監督とプロデューサーの情報を集めようって。
え、じゃあこんなところにいてもしょうがないよ。
だから、早く撮影所に行こうよ。
ちょっとこれだけ聞かせてもらいます。
気づいたこと。
うーん。何かを推理するにはまだデータが足りないな。
そうですね、まだデータがないので、情報が何もないので、推理のしようがありません。
昨日もそんなこと言ってたぞ。
素直に「何も思いつきません」って言えよ。
データが足りないの!
はい、ちょっと話すことはないですね。
じゃあやっぱり撮影所に移動しましょう。
撮影所正門前。
はい。誰もいないよ。
オバちゃん捕まっちゃったからね。
あ、そうですね。オバちゃんも一応今容疑者として捕まっているので、ここには誰もいません。
誰か代わりの人がいなくていいのかな?
うん、確かに警備をする人がいませんね。
あ、詰所の中にオバちゃんの羊羹があるよ。
羊羹は甘い和菓子ですね。
そ、そんな目で見なくても。
はい。ここをちょっと調べてみましょう。
正面入口。今日も見張りの警官が立っているはずだ。
この撮影所のライトバンだ。
撮影用の資材などを運んでいるのだろう。
うん、何もないですね。
撮影所の見取り図が書かれている。
ここから右へ行くとスタッフ作業場。
左へ行くとスタジオ方面に通じているらしい。
撮影所内のセキュリティカメラの映像を管理するコンピュータだ。
おや?今日はスイッチが入っていないみたいだ。
うん、今日はオバちゃんがいないので、スイッチが入ってないんですね。
うーん。特に何もありません。
じゃあ移動しましょう。
第1スタジオ前に行きます。
今日はとにかく、いろいろ情報を集めないといけませんね。
だからいろいろ移動して調べてみたり、人に話を聞いたりしてみましょう。
あれ?
今日はイトノコ刑事さんいないね。
そうだね。
今日の裁判大騒ぎだったから、きっと忙しいんだろうね。
ねえねえ、なるほどくん。
今日の裁判で言ってた第2スタジオって、あの木が倒れてる道の方に行くとあるんだよね。
こっちですね、左側ですね。
あー、そんなこと言ってたっけね。
監督さんたち、今日もいるかもしれないよ。
今がチャンス。行ってみようよ。
そうですね、監督やプロデューサーにとりあえず会って、話を聞きたいですよね。
第2スタジオ。
行けるんだ。行ってみよう。
第2スタジオ前です。
ここ第2スタジオだよね。
そのはずだけど。
あんまりスタジオって感じじゃないよね。
確かになぁ。
あ、コテージがあるよ。
撮影用のセット...にしてはしっかり建てられているな。
なるほどくん、本当にここスタジオなのかな。
ちょっと調べてみましょう。
コテージです。
よく見ると、建てられてから数年は経っているようだ。
これはもうセットなんてもんじゃなさそうだ。
うん。
これは?
撮影セットを組むための資材みたいだけど。
ずいぶん長いこと置きっぱなしになってるみたい。
まるで資材置き場だね。
うーん...あ!
ねえねえ、なるほどくん、入ってみようよ。
怒られないかな?
入れるんですかね?
あれ?鍵がかかってるよ。
うぅ。つまんない。
入れませんでした。
何やら花が咲いている。
わー、綺麗だね。
ちゃんと手入れされてるよ。うん、誰かが管理してるのかな。
あんまり近づくなよ。その鉄柵危ないから。
ここに鉄柵がありますね。鉄の柵があります。
なんかこれ1本折れてますね。
大きく2と書いてある。
ここが第2スタジオだからじゃないかな。
まあそうですよね。多分そうだ。スタジオには見えないけどね。
はい、Qでスライドします。
今度こっち側を調べてみましょう。
スタッフ移動用の大型のライトバンだ。よく手入れされていて、免許さえあればすぐ動かせる。
え、じゃあじゃあドライブしようよ。撮影所1周。
免許があればの話だよ。
成歩堂は免許持ってないんですかね。
うわー、なるほどくん免許持ってないんだ。
その代わりにほら。弁護士バッジは持ってるよ。
こんなところで弁護士バッジ突きつけたってダメだよ。
はい。
これは?最近取り付けられたらしい小さな焼却炉だ。
焼却炉っていうのはゴミとかを燃やす場所ですね。焼却炉。
焦げたすすがこびりついていて、あまり手入れされていない。
うん。
二人で食事をしたあとらしい。
皿の上には何も残っていない。
あ、この人たちも食べたんだね、骨付きステーキ。
あの、第1スタジオの方にも、確か骨付きステーキを食べたあとが残ってましたよね。
こだわるなぁステーキに。
そりゃあステーキは別腹だから。
でも、なんかちょっと変だな。
何が?
違和感っていうの?
なんだろう、この感じ。
うん、なんか変な感じがする。違和感がある。
何ですかね?
うーん...もうないかな。
はい、もう調べるところはなさそうです。
じゃあまた移動する。
第1スタジオを前に戻って、ここもちょっと調べましょうか。
ちょっと疲れたな。座って休もうか。
あーあ、これだから年を取りたくないよね。
年を取ると、すぐ疲れて、ちょっと休もうってすぐ休憩したくなりますね。
僕はまだ若いぞ。
なるほどくん、若さを主張しだしたらおしまいだよ。
自分は若い若いって主張するようになったら、もうそれは年を取っている証拠だよ。
いやいや、本当に若いんだってば。
防犯カメラ。このゲートを通った人間を自動的に撮影するカメラだ。
事件当日は、被害者が殺害されるまでの時間に、二人撮影した。
小学生ぐらいの男の子と、なんだっけ?トノサマンの格好をした人ですね。
一人はトノサマン、もう一人は小学生の少年。
どうやら今日は作動していないみたいだ。
「おいでませ」だって。
休みの日は一般の人たちが遊びに来るからね。
なるほどくん、今度遊びに来ようか。
あのオバちゃんが入れてくれたらね。
うーん、何もないですね。
スタジオは、衣袋武志が死体で見つかった現場だ。
撮影スタジオのマスコットキャラクター。
なんでもテングザルをモチーフにしているとか。
でも、天狗ってこんな団子っ鼻なのかな。
丸い団子っ鼻。
早く首直せばいいのに。
首のところから折れて、頭が取れてますよね。
あのスタッフの子に頼んでみようか。
無理じゃないか、あの子じゃ。いろんな意味で。
あの首、クレーンでも使わなきゃビクともしそうにないし。
ビクともしないっていうのは、全然動かない。
確かにね。
はい、特にないですね。
裁判では、この奥には第2スタジオがあるという。
猿の首が邪魔だけど、道はなんとか通れそうだ。
うわー、この猿の首ものすごく重いよ。
そりゃあそこの木を折っちゃうぐらいだからな。
事件があった日に折れたんだよね、お猿さんの首とこの木。
ああ、イトノコ刑事がそんなこと言ってたね。
うん、これもなんか事件に関係あるのかな。
はい、もう何もなさそうですね。
じゃあ、また移動します。
えーと...。
もう1回正門前に行きましょうか。
何もないですね。
1回留置所に行きます。
はい、荷星さんです。
あ、成歩堂さん、今日はありがとうございました。
いや、運が良かっただけです。
ほんとにね。
うるさいな。
ねえ、ニボサブさん、何か手がかりになりそうなことありませんか?
うーん、特にないですね。
すみません。
どんな小さなことでも話してくださいね。
明日も運がいいとは限りませんからね。
また明日裁判があるってこと?
は、はい。
ちょっと荷星さんと話しましょう。
ファンの子供のこと。
スタジオにはファンの子供はよく入ってくるんですか?
そうでもないですよ。
あの警備員のオバちゃん、こうるさい人ですから。
でも、今日の証言ではよくウロウロしているって。
子供たちはトノサマンが本当に大好きなんです。
オバちゃんの目を盗んで、オバちゃんに隠れて、オバちゃんにバレないように入ってきちゃうんですよね。
監督のこと。
午前中の打ち合わせ、監督もいたんですか?
アクションの打ち合わせですね。
は、はあ、まあ。
トノサマンとアクダイカーンの動きをつけていただきました。
荷星さんは、自分が犯人だと疑われているにもかかわらず、監督とプロデューサーがその日現場にいたことを黙ってたんですね。
なんで教えてくれなかったんですか?
まあ、その....撮影所の方から口止めをされてですね。
何言ってるんですか。
何度も言うけど、なるほどくん、まだ新米弁護士なんです。
負けるときはほんと、あっという間にぽっくりいきますからね。
ぽっくり。なんだろう...簡単に負けちゃう?
はっ、きょ、恐縮です。
ぽ、ぽっくりはないだろう。
他に何か隠していることはないでしょうね?
は、はい、ないと思います。はい。
つきつける?ちょっと法廷記録を見てみます。
弁護士バッジ、解剖記録、カードキー、トノサマンの写真、上面図、それからトノサマンスピアーですね。はい。
じゃあ、またちょっと移動しましょう。
うーん...スタッフエリアまだ行ってないですよね。
スタッフエリアに行きます。
あれ?あそこにいるのスタッフの子だよ。
おーい!
あ、あなたたち、ニボサブさんの弁護士さん。
聞きましたよ。大活躍だったそうですね。
いやー、ははは。
でも、警備員のオバちゃん捕まっちゃったんですって?
いやー、ははは。
笑ってごまかしてますね。
さっきオバちゃんから電話があったんです。
とりあえず、あの排水溝の穴を塞いでおけって。
あ、あの排水溝の穴から子供が入ってきたんでしたよね。
その穴を塞いでおくように、オバちゃんから言われたんだそうです。
あ、ああ、あそこの。ものすごく不器用だなあ。
あ、あの、私ちょっと手作業は苦手なんです。
えー、でも大道具や小道具の手入れとかしてるんでしょ?
は、はい。でも手入れする前よりもひどくなったりすることが。
ま、まあ、気にしない気にしない。そんなこともあるって。
そうですよね、私気にしません。
気にした方がいいと思うけど。
あ、あの、私これからオバちゃんの代わりに詰所に入らなくちゃなりませんので、これで失礼します。
そうなんだ。じゃあね。
はい。では頑張ってください。
はい、調べましょう。
ここの穴が、段ボールとガムテープで塞いでありますね。
今日の裁判で言ってた小学生の男の子って、この排水溝から入ってきたんだよね。
らしいな。
大慌てで塞いだってわけか。
ねえねえ、なるほどくん、あの穴を塞がれちゃったら、その子もう入れないんだよね。
まあ、そのために塞いだんだからな。
なんかその子かわいそうだよね。
じゃあ、またぶっ壊しておこうか?
壊してまた穴を空けようか?
え、いいの?なるほどくん。
げっ、本気だ。
こっちは冗談で言ったのに、真宵ちゃんは本気です。
どうしよう。
ぶっ壊すか、そっとしておく。そのままにしておく。
うーん。どうしますか?
小学生が入ってきてくれた方が、小学生の証言を聞くことができるので、いい気がするんですよね。
だから壊しちゃおう。
仕方ないな。じゃあ壊していいよ。
わー、なるほどくん、いい人。
そうかな。
えいっ!ふう、これで子供たちも大喜びだね。
やれやれ。
排水溝が壊されている。犯人はこいつだ。そうですね。
これで子供たちもまたここに入ってこられるね。
うん、あの、その小学生が入ってきて証言してくれる可能性がありますね。
いいことをすると気持ちいいね、なるほどくん。
全然反省の色はない。反省してる様子はない。
はい、自転車です。
モーターを乗せた電動自転車だ。
なんとも言えない中途半端な感じが、僕は嫌いだ。
えー、でも坂を登るの楽だよ。
若いのに、あんなもの使うな。
書きかけの書き割りが立てかけてある。
舞台の背景ですね。
ネオエドシティの城ということは、おそらくネオエド城とでも言うのだろう。
うん、この辺はもう全部1回前に調べた時と一緒ですね。
うん。前と一緒ですね。
昼食のあと。
これね、向こうの第2スタジオにもありましたね。骨付きステーキ。
はい、こっち側を今度見てみます。
うん、これも前回と変わってない。
曇りガラスなので、部屋の中を見ることはできない。
楽屋入れるかな。
お、鍵はかかっていないみたいだ。
ねえねえ、なるほどくん、今日もなんかもらっていこうよ。
ダメですよ。
ひ、人聞きが悪いな。
人聞きが悪いっていうのは、他の人が聞いたときに悪い印象を持たれる、悪く聞こえる。
はい、そういう意味ですね。
だって昨日はカードキーもらったじゃない。
借りたの!あれは。
あ、入れないんだ。
うーん、移動する?
あ、楽屋。
中入れます。
事件があった日、トノサマンの着ぐるみ、ここにあったんだよね。
荷星さんそう言ってたっけね。
荷星さんが昼寝してるのを見て盗んだんじゃないかな。
でもさ、もし荷星さんが昼寝しなかったら、犯人はどうするつもりだったのかな。
確かに。さ、さあ。確かになぁ。
荷星さんが寝てなかったら、あの着ぐるみは盗めなかったわけだから、荷星さんになりすますことができなかったってことですよね。
はい、調べます。
衣装ですね。
前回調べた時と同じ、変わってないところは、ちょっと飛ばしていきます。
カバンですね。前回はここからカードキーを盗みました。
オバちゃんたちが読みそうな、噂話のくだらない、バカらしい雑誌だ。
コラ!勝手に開けない。
このお菓子、賞味期限が今日で切れちゃうよ。
食うなよ。
ブツブツブツブツ。お菓子だって食べてもらった方が幸せなのに。
はい、ここ荷星さんが寝てた場所ですね。
窓には鍵がかかってます。
うーん、何もない。
戻りましょう。移動する。
スタッフエリアに戻ります。
スタッフの女の子が、オバちゃんに代わって詰所で今日は仕事をしてますね。
あはは。やっぱりその格好じゃ似合わないね。
やっぱりダメですか?
ミリタリールックのベストを着ているので、「あるいは?」と思ったんですけど。
どういうこと?
ちょっと話を聞いてみます。
撮影所について。どう?撮影所の方は。警察の人がうろうろして大変ですよ。
現場保存とか言って、掃除もさせてくれないんです。
うん、現場をそのまま残しておかないといけませんよね。
事件があったから、捜査のために現場を保存しておかないといけないので、掃除もできない。
おかげで事件の日のお昼ご飯の後片付けもできなくて。
ああ、スタッフエリアにあった、あの骨ののった皿?
ええ、迷惑な話ですよね。
ファンの子供について聞きます。
ここにはよく子供たちが入り込んだりするの?
数は多くないんですけどね、よく見かける子はいますよ。
カメラなんか持って、撮影風景を覗いてるんですよ。
警備員のオバちゃんも目を光らせてるんですけど、やっぱり子供の行動力にはちょっと...。
子供は行動力がありますね。
これをやりたい、これを見たいと思ったらもう突き進む、行動力がありますね。
子供の行動力には敵わない。
監督たちについて聞いてみましょう。
今日裁判所で聞いたんだけど、事件当日、ここには監督やプロデューサーもいたって?
すいません、私は大道具倉庫の方にいたので見てはいないんですけど。
どうもいたみたいですね。
撮影所長から口止めされていたので。
うん、この人も口止めされてたんですね。
やっぱり監督さんをかばったってわけ?
監督さんをかばった、守った。
監督っていうかプロデューサーの方かな。
なんかすごいやり手のプロデューサーなんですよ。
やり手、すごく腕のいい、仕事のできるプロデューサーなんですよ。
ほとんど潰れかけてたこの撮影所を建て直しちゃって。
うん、もう経営が悪化して潰れかけていた撮影所を、また黒字にした、経営を良くしたってことですね。
この撮影所にとっては神様みたいな人らしいです。
プロデューサーか。
はい。どうしよう。移動する。
えー、事務所に行っても何もないと思うけど、一応事務所に1回戻ってきました。
話すこともない。
留置所。話すことないですね。
第1スタジオ前に行ってみます。
第2スタジオ前。
誰もいない。
ガタっ。お?
キャー!な、な、な、なるほどくん、い、い、今の音、何?
コテージの中から聞こえてきたみたいだけど。
中に誰かいるみたいだね。
す、すみませーん!返事がないぞ。
怪しいよ、なるほどくん。
よし、入ってみよう。
怒られないかな。
あれ、鍵がかかってるよ。
えー、鍵は?
そりゃまあ正門前の、警備員の所にあるんじゃないか?
調査のためだよ。借りてこよ。
貸してもらえるかな。
うーん。
正門前に鍵を取りに行く?とりあえず行ってみましょう。
調べる。
警備員たちの詰所だ。
セキュリティを管理するコンピュータが見える。
あ、詰所の中のものには手を触れないでください。触らないでください。
私、あのオバちゃんに張り倒されてしまいますから。
コテージの鍵を借りたいんだけど、どうも今は無理みたいだな。うーん。
えー。
楽屋?な、なんだ君たちは!また誰かいます。
なんか帽子に、あの...トノサマンの何?まげがついてる。
あなた誰ですか?
ちょっと見るからに怪しい人ですね。
なんかすごく怪しいんですけど。
失敬だな、失礼だな。
宇在拓也を知らないのかよ。
監督だぞ。トノサマンは僕が作ってるんだぞ。
この人がトノサマンの監督だそうです。
えー?そうなんですか?
すみません、なんかその、怪しく見えちゃって...あの。
い、いや、いいんだけど、いいんだけどさ、別に。
な、なんですか?
よく見るとあなた、いいねー。
実にいいよ。(萌)。
あ、ちょっと気持ち悪いですね。
舌をペロペロ出してます。
僕的にはヒットかなぁ、そのコスチューム。
垂れ。
「垂れ」って何ですか?
な、な、な、な、何を垂らしてるんですか?
何を?
垂らす?
な、なんか、うお、うおぉー、みなぎってきたぞ。力が湧いてきた。
創作意欲が。
もう、監督はクリエイティブな人ですから、何かを作りたいっていう創作意欲が湧いてきた。エナジーが。
ヒメサマン。
小江戸剣士ヒメサマン。トノサマンの続編をやろう。小江戸剣士ヒメサマン。
ヒ、ヒメサマン?
なんで小江戸なのよ?
トノサマンは大江戸でしたよね、大きい江戸。
なんで私は小江戸なの?大江戸戦士トノサマンよりスケールダウンしてるじゃない。
本気になるなよ。
はい、この人とちょっと話してみましょう。
事件当日のこと。あの、事件当日のこと聞かせてほしいんですけど。
ああ、君か、オバちゃんから僕らのことを聞き出したの。
ええ。
あの日はさ、午前中はアクションの打ち合わせ、で、正午から第2スタジオのコテージで会議。
もう忙しくて昼飯も食えなかったよ。
あの、第2スタジオの外に置いてあったお皿、あれはこの人が食べたあとじゃないんですかね?
骨付きステーキですか?
ゲッチュー。その通り。
また舌をペロペロ出しています。
なるほどくん、ゲッチューって何?
ゲッチュー?
知らない。
とにかく、正午から4時過ぎまでずっと会議。プロデューサーやテレビ局のお偉いさんとさ。
衣袋さんが死んだのは午後2時半。
だからこの人たちは、衣袋さんが亡くなった時、会議中だったってことですね。
だからアリバイがあるってことか。
今の話が本当なら、アリバイ成立だな。
プロデューサーについて聞きます。
一緒に会議をしていたプロデューサーですけど。
ああ、姫神 サクラのこと?
女性なんですね。
あの人は天才だよ。すごく怖いけど。
潰れかけたこのスタジオを、 見事に立て直したって。
僕にトノサマンを作るチャンスをくれた大恩人。
恩人っていうのは、すごく自分を助けてくれた、お世話になった人ですね。
事件があった日は一緒に会議をしていたんですよね。
正午から4時までずっと一緒だったよ。
はい、お偉いさんについて聞きます。お偉いさんというのは、どういう人たちですか?
制作局の部長やスポンサー、それにプロダクションの人かな。
彼らはみんなでリムジンに乗って、正午前にここへ来たんだ。緊張したよな。
その人たちとはずっと一緒だったんですか?
まあね。みんな白髪混じりのじいさん連中だよ。おじいさんたち。
うん。信用できる証人たちみたいだな。はい。
うーん。
あ、ちょっと今消えちゃったけど、「お菓子がなくなってる」って言ってました。真宵ちゃん。
ぼ、僕が食べたからね。賞味期限切れかけてたし。
怒ってます。目に涙をためて、唇を震わせて、僕を睨んでる。
さっき食べればよかったって思ってるんですね。
はい、もう他には新たに調べるところはなさそうですね。
うーん、この人と話すこともない。移動する。
えっと、鍵が欲しいんでしたよね、あのコテージに入る鍵が。
もう1回正門前行きましょう。あ、おばあちゃんが戻ってきてる。
あんたたち、また来たのかい?
キャー、出た!人をお化けみたいに言うんじゃないよ。
あの、ずいぶん早いお帰りでしたね。
うん、捕まってたはずなのに。
あれから警察に連れて行かれてさ、連中、トノサマンの着ぐるみのスペアを引っ張り出してきて、着ろっていうわけよ、その着ぐるみを。
そんなもん着られるわけないでしょうが。
荷星さん、180センチはありますからね。
あ、オバちゃんには大きすぎたってことですね。サイズが合わなかったんだ。
着られないってわかったら、帰っていいって。うん。
それで、オバちゃんは容疑者から外れたっていうことですね。
そりゃそうか、犯人じゃなくなるからな。
とにかく、オバちゃん、この恨みは一生忘れないかんね。
恨み。ま、成歩堂たちにひどいことをされて、恨んでいる、怒っている、この気持ちは、この恨みは一生忘れないからね。
もう口も聞かないんだから。もう喋らない、あんたたちとは。
散々喋ってるくせに。
今からだよ。はい、よーいスタート。もう今からは喋らない。
子供か、このオバちゃん。
と言いつつ、喋ってくれるんじゃないですか?
あの、オバちゃんが見た子供のことなんですけど。
今度見かけたら張っ倒す。
なるほどくん、本気だよ。
やっぱり喋ってくれますね。
監督たちのこと。事件当日ここにいた監督さんたちのことですけど。
今度見かけたら張っ倒す。
なるほどくん、見境がなくなってるよ。
見境がないっていうと、善悪の区別、いいこと悪いこと、正しいこと間違ってることの区別がつかなくなってるってことです。
はい。うーん、調べる。
鍵が欲しい。あ、ここ、なんかある。
警備員たちの詰所だ。
セキュリティを管理するコンピュータが見える。
勝手に触っちゃダメだよ。
今は中を調べるのは無理だな。
うーん。
どうしたら鍵がもらえるんだろう。
留置所に行ってみます。
荷星さんと話すことはない。
事務所。
事務所ですることもないですよね。
突きつけるものもない。
うーん、もう1回第1スタジオ前に行きます。
うーん。
あ、第1スタジオの中、ここまだ行ってないですね、今日。
ここ、あんまり来たくないな。
まあ、そりゃ殺人現場だし。
私は他のところに行きたい。やれやれ。
でもちょっと調べましょう。
あ、梯子だ。それは脚立だよ。どう違うの?
同じようなものじゃない。
もっと本質を見ようよ、なるほどくん。重要な部分を見よう。
あ、これ監督さんが座るやつだよね。一度座ってみたかったんだよね。
うん、これも前回と同じですね。
はい、ちょっと飛ばします。
書き割りですね。
わーすごいな。高そうなカメラ。
うん、これもありましたね、前。
何もないね。
うん。
何もありません。
移動する。
もう1回行ってみる?
鍵がないと入れません。
もう1回ここ行ってみようか。
お、少年。あっ。
ちょっと!待ってよ。
やれやれ。あの排水溝から入ってきたらしいな。
うん、やっぱり入ってきましたね。
ねえねえ、僕、お名前は何でちゅか?
子供じゃねえんだ。舐めた口叩くんじゃねえ。バカにした喋り方するな。
な、何よ、あんたまだ子供じゃない。大人に向かってその口の聞き方は。
口の聞き方が悪いっていうのは、悪い言葉を使ったり、失礼なことを言ったり、汚い言葉を使ったりっていうことですね。
何が大人だよ。狂った、変なファッションセンスしやがって。
く、狂った?
なるほどくん、いじめられた。
こいつ、尖ってやがる。ナイフみたいに。
うん、尖ってる。尖ってる人って言ったら、いい意味で言うと、すごい個性があって、自分の意見を持ってる、はっきり主張する人みたいな感じ。
悪く言うと、うーん、ちょっと周りとの協調性がなくて、攻撃的な感じ?まあそんな感じですかね。
俺は九太だ。大滝九太。今度「僕」なんて言ったら斬り捨ててやるからな。
トノサマンの大ファンなんですね。
この子とちょっと話してみましょう。
君、トノサマンが好きなのかい?
気やすくトノサマンの名前を口にするな。
何言ってるのよ。トノサマンはあたしの味方だよ。
ば、バカ言ってんじゃねーよ。刀を取ろうとしてます。
じゃあじゃあ、第8話に出てきた茶屋の主人の最後のセリフは?
知ってらぁ。知ってるよ。「ポテトもいかがですか?」
どういう話なんですか?しかもトノサマンって、時代劇っていうか昔の話なのに、ポテトが出てくるんですかね。
むっ、やるわね。ふっ。何やってんだよ。
まあでも、ちょっと少年が心を開きましたね。
事件について。なあ、君、ここで事件があったの知ってるかい?
その日もいたんでしょ?ここに。
何か気づいたこととか。
トノサマンは、トノサマンは誰にも絶対負けないんだ。俺全部見てたんだ。
え?
でもな、お前らなんかに教えてやるもんか。あ、待って。放せよ。
行っちゃった。
あれ?逃げるときにぶつかったテーブルから、何か転がり落ちたよ。
瓶か。なんでこんなものがテーブルに?
空っぽの小瓶。スタッフエリアのテーブルで見つけた。ラベルには睡眠薬。
トノサマンは…トノサマンじゃない、荷星は、睡眠薬を飲まされてたってこと?
眠らされてたってこと?
ところで、あの子、何か言ってたよな?
全部見てたんだって。
あの子、事件の一部始終を全部見てたみたいです。
うーん。ちょっともう1回楽屋行ってみましょう。
話すことないですね。うーん。
移動する。
あれ?オバちゃんがいないよ。
チャンスですね。不用心だな。
コラー!あれ?オバちゃんの声。待たんか、コラー!誰かを追いかけてます。
ははぁ、どうやらあの子供を追いかけてるらしいな。ぎゅー。あ、転んだ。
嬉しそう。真宵ちゃん、とても嬉しそうだ。
今がチャンスじゃないですか?
ねえねえ、なるほどくん、今のうちにちょっと調べてみようよ、詰所。そうだね。
あ、これだよ、なるほどくん。
コテージの鍵って書いてある。
ああ、あの第2スタジオにあったコテージの。もちろん借りるよね、なるほどくん。
ポケットに忍ばせたって書いてました。こっそりポケットに入れた。
はい、じゃあ第2スタジオに行きましょうか。移動する。
第2スタジオ。
さっき詰所から借りてきた鍵、使えるかな?
開いた。よし、行くよ、なるほどくん。
お、やる気満々だな。さあ、お先にどうぞ、なるほどくん。お先にどうぞ。
腰は引けているみたいだ。ちょっと怖いんですね。
コテージ内に移動します。
事件当日、ここで会議をしてたって言ってましたけど、会議をしたあとがそのままになってますね。
お!誰?びっくりした。誰?え、あ、あたしたちニボサブさんの弁護士ですけど。そう。
すごい怪しい女性。あ、あの、あなたは?姫神 。プロデューサーの。
すらりとした綺麗な人だな。
話します。事件当日のこと。
事件当日のことなんですけど。
ひ、姫神 さん?
台本。
は、はい?
台本探してるの。
だ、台本ですか?
トノサマンの第13話。
今読みたいの。
あの...事件があった日のことを聞きたいんですけど。
あたくしは台本を読みたいの。
何も答えてくれません。
だ、ダメだこりゃ。
トノサマンについて聞きます。あの、トノサマンについて話が聞きたいんですけど。
また黙ってます。
姫神 さん?
テレビやってるわ、毎週。
言うべきことは全部そこで言ってるから。
なるほどくん、テレビ見てろって。
僕に怒るなよ。
監督のこと。
監督、えーと、宇在さんでしたっけ?
彼はどういう?
言わなかったかしら?
あたくし、今、台本を探しているの。
他のことは興味がないわ。
なるほどくん、撮影所ってこんな変なのしかいないの?
確かにちょっと個性の強い、癖の強い人ばっかりですね。
うん、確かに。
なるほどくん、もう行こう。他のところ調べようよ。
そうだな。
ちょっと。
な、なんですか?
宇在にあったらこれ渡しておいて。
なんで私たちがそんなこと。
えーん。やだこの人。泣くなよ。
わかりました。見かけたら渡しておきます。
「第13話の台本を持ってきてちょうだい」っていうメモを受け取りました。
ちょっとここもね、一応調べておきましょう。
トノサマンで使うセットのデザインを決めていたようだ。
セットを組む予算なんかもメモされている。
予算。
それにかける費用、お金ですね。
なんでこんなにお金がかかるんだ?
昔の映画のポスター。『武士節』主演衣袋武志。
武士節ってやっぱり、ぶしぶしって読むのかな。
あー、それ、自慢の喉で大スターにのし上がる武士の話だよ。
自慢の喉、歌がうまいってことですね。
衣袋さん歌もうまかったからね。
スターにのし上がる話なのに、なんで時代が室町なんだよ。
『武者ぶるいの夏』主演衣袋武志。
衣袋さんの映画のポスターばっかりですね。
懐かしいなぁ。
誰にでもあるひと夏のロマンスがテーマなんだよね。
テーマはとにかく、それがなんで侍に馬なんだよ。
『ダイナマイト侍』。古びたポスター。
これも主演衣袋武志。
被害者の衣袋さん、昔はすごかったんだな。
ゴミ箱です。特に手がかりになるものは入ってない。
ここで会議をしていたらしい。
机の上には資料にお茶、紙コップなどが並んでいる。
窓です。曇りガラスで外は見えない。
10月も半ばを過ぎて、日差しもすっかり和らいできた。
だいぶね、日差しが弱くなってきた。
そんなに強くなくなってきた。
暑くなくなってきたってことですね。
うーん、もうないですね。
はい。じゃあ、えっと、どうすればいいんだ?
監督に会いに行ったらいいんですね。
移動して監督に会いに行きます。
えっと...あれ、どうやって行ったらいいんだ?
あ、ここか。スタッフエリアに行って、楽屋。
で、突きつけるでいいのかな。
これですね、はい。
あーそうだ、プロデューサーから預かったんですけど。
え、13話の台本を持ってこい?そういえばどこへやったかな。
失くしちゃったんですね。どこかで忘れてきたみたいだよ。
ど、どうしよう...また怒鳴られる。
なるほどくん、監督さんが行きそうなところ探した方が早いよ。
そうみたいだね。
うーん。私たちが探さないといけないんですか?
監督が行きそうなところ。
監督が行きそうなところ。スタジオ?
また来ちゃったね、殺人現場。調べることを済ませたら、すぐ他のところ行こうね。
このリュックとか?
違うね。
ここで撮影をしてたんだから...。
お!あ、これ監督さんが座るやつだよね。
うん、この椅子ですね。
監督が座る?
真宵ちゃん、ちょっとその椅子のあたり調べてみてよ。
さっき監督が言ってたろ?どこかに台本置き忘れてきたって。
あ、あったよ、なるほどくん、台本。やっぱりね。
よし。
これでもう1回、えっと、あそこに行けばいいのかな。第2スタジオに。
で、この人に台本を渡す。
持ってきましたよ。はい、台本です。
そう。台本を姫神 さんに渡した。姫神 さん黙ってます。
あ、あの...おしまいですか?それで。
静かに。今台本を読んでるから。
ちょっと、いい加減にしてください。何様のつもりですか?
私たちは...。荷星の弁護士?
は、はい。疑ってるの?あたくしを。
あ、いえ、その...そういうわけじゃ...。
事件のあった日のこと、だったかしら?
はい、聞かせてください。
正午からここで会議があったのは知ってるわね。
はい。監督とかテレビ局の人たちと一緒に。
そう。じゃあよく聞きなさい。
あの日の午後、このコテージにいた人間は、誰も第1スタジオに行くことは不可能だったの。
な、なぜですか?
道が塞がってたから。
道が?
道が塞がっていたという話について、もうちょっと詳しく聞いてみます。
事件当日、道が塞がっていたんですか?
ここへ来る途中、サルマゲドン見たでしょ?
あのマスコットですかね?テングザルの。
サルマゲドン?
アルマゲドンみたい。
首の折れた猿よ。
あー、あれですか。
すごいネーミングだな。
あの首、事件があった日に風で壊れてね。
首をどかす作業が始まったのが3時過ぎ、道を通れるようになったのが4時過ぎだったの。いい?
衣袋が死んだのは2時半。でもここにいた人間は午後4時過ぎまでこのコテージに閉じ込められていたの。
第1スタジオになんか行けたはずがないわ。
な、なんですって?
これはほんと。3時過ぎにクレーンを使って首をどけてもらったの。外の会社の人に頼んでね。
作業した人たちは覚えてるはず。
で、でも、首が壊れたのが2時30分より後だったら、第1スタジオへ行くことはできたはずです。
2時30分、衣袋が死んだ時間ね。
いいわ。来なさい。
移動してきました。
あのサルマゲドン、元気な時は時間をアナウンスするの。「4時でござる」とか。
サルだからな。
あの首を調べてみなさい。首が壊れた時間で時計が止まっているわ。
なるほどくん、時計、2時15分で止まってるよ。
じゃあえっと、事件が起きる前ですね。
2時15分?
そう、この道は2時15分から4時過ぎまで塞がっていたの。通れなかった。
だから私たちは無実。
衣袋さんが第1スタジオで死んだのは2時30分か。
じゃあ、そういうことだから。
なるほど。じゃあ監督、プロデューサー、お偉いさんたちはみんなアリバイがあるってことですね。
ニボサブさん以外、衣袋さんを殺せた人いないじゃない。
うーん、そうなりますね。
もうダメだ。まいったな。
一度事務所へ戻って考えてみるか。
事務所に戻る?
はい、言われた通り事務所に戻ってみます。
とりあえず何の手がかりもなくなっちゃったな。
監督たちのアリバイはバッチリで、他の手がかりもない。
お先真っ暗だな。
うん、お先真っ暗。もうダメだ。
諦めるのは早いわ。
まだ手がかりは残ってるでしょ?
あっ、千尋さんが出てきました。
もっと早く出てきてくださいよ。
ごめんなさい。ピンチになって真宵が本気にならないと出てこられないの。
ということはピンチですか、今?
ええ、かなり。
あの、手がかりって何ですか?
もちろんあの少年よ。
うん、そうですね、少年が全部見たって言ってたから、少年からもうちょっと証言を引き出したいですよね。
俺全部見てたんだ。え?
でもな、お前らなんかに教えてやるもんか。
あの子、協力してくれそうもありませんよ。
なんとか方法を見つけるしかないわね。
とにかくもう一度撮影所に行きましょう。もうあの子が最後の手がかりなんだから。
あの子がね。
はい、じゃあ移動しましょうか。ちょっと待って。
あ、一応話しましょう。
これからどうすれば?撮影所へ行きましょう。あの少年から話を聞くの。
わかりました。撮影所に行きましょう。
あ、オバちゃんです。怒ってますね。
はぁ、はぁ。息が上がってます。
ど、どうしたんですか?
はぁ、はぁ、こしゃくな。
どうやら今まであの子を追い回していたらしいな。
結局少年は捕まらなかったんですね。
今度会ったら、か、必ず...。
はぁ、はぁ、こっちは人質を取ったからね。
人質を取った。
人質ってなんだ?
はい、話を聞きます。
あの子どうなりました?
今度見かけたら、捻り潰す。
まあ、ワイルドなマダムね。
さっき監督たちに会ったんですけど。
うー、心臓が痛い。だ、大丈夫かな。
死ぬ前に一度衣袋ちゃんにお参りを。
そういえば、殺人現場にお参りしたいとか言ってたな。
あ、言ってましたっけ、オバちゃん。
人質について。
あの、人質って何です?
はぁはぁ、あの子逃げているときに・・・を落として行きやがったから、きっとこいつを取り戻しに来るはずよ。
うーん、聞き取りにくい。何を落としたんだろう。
なるほどくん、その人質、九太くんから話を聞くのに役に立つかもしれないわ。
なるほど。
オバちゃん、その...。ダメだよ。オバちゃん、あの子を捕まえてやるんだから。
なるほどくん、何か取引できる材料はない?
うん、すごい、千尋さんがヒントをくれますね。
さっきオバちゃん、お参りに行きたいって言ってたから、殺人現場で。そこに行ってお参りさせてあげるとか?
取引ね...何かあるかな。
取引できるもの?
殺人現場は第1スタジオでしたよね。
え、ちょっとわかんないけど、これしかないのでやってみます。
あ、それ、第1スタジオに入る?
ええ、カードキーです。
オバちゃん、衣袋ちゃんにお参りを...お参りしたいんだよね、ファンだったから。
オバちゃん、カード持ってないんですか?
持ってないの?
あの辺は担当じゃないから。カード貸しておくれよ。
なるほど。オバちゃん警備員だけど、第1スタジオには入れないんですね。
だからこれを貸してあげて、それと引き換えにそのオバちゃんが持ってる人質をもらって、で、それを使ってあの少年から話を聞けばいいってことですね。
どうしよう。あのスタジオ入れなくなるぞ。
あ、そっか。カードキー渡しちゃったら、今度は自分たちがもうあの殺人現場に入れなくなっちゃうんだ。
でも今とりあえずできることはこれしかないので、貸します。
なるほどくん、貸してあげたら?
そうですね、はい、じゃあこれ。カードキーをオバちゃんに貸した。
あんた、オバちゃん、人に借りは作らないたちでね。
これ持っておいき。
何ですか、これ?トノサマンのカードですか?
あの子が落としていったんだよ。あいつにとっちゃ大事なものなんじゃないかね。
ありがとうございます。もらっておきます。
さっき言ってた人質って、これのことか。
トノサマンのトレーディングカードだそうです。
じゃあオバちゃん行くから。
スタジオの方へヨロヨロと走っていった。
じゃあまた、あの少年を探さないといけないんだ。
少年、どこにいるかな?さっきここにいましたよね。
いるかな?あ、いた。
君、ちょ、ちょっと待ってよ。
なるほどくん、今の子?
ええ、あれが大滝九太です。
楽屋に逃げ込んだみたいね。
監督がいるんじゃないの?
確かここに逃げ込んだはずだけど。
あ、いた。
まずい、逃げられる。
お待ちなさい。
よかった、戻ってきたわ。
嘘だろ。
千尋さんの言うことは一発で聞きました。
ねえ、私たちに協力してもらえないかな。ね。
お、俺、九太。
あら、綾里千尋よ。よろしくね。
よ、よろしく。めっちゃ笑顔です。綺麗なお姉さんが好きなんですかね。
僕は成歩堂龍一だよ。
聞いてねーよ。
じゃあなるほどくん、あとはお願いします。
自信ないな。
千尋さんに対する態度と、なるほどに対する態度が全然違いますね。
もう1回聞いてみます。
トノサマンかっこいいよな。僕も好きだな、トノサマン。
あんたにトノサマンの何がわかるって言うんだよ。
なんだよ、その言い方は。
なるほどくん、少年を相手に怒鳴っちゃダメよ。
そうだよ、少年相手に怒鳴るなよな。
なあ、君は事件について何を知っているんだ?お兄さんに教えてくれよ。
何にも知らねえよ。
ダメだ。何かエサがいるな。
これで突きつけるんですね。
九太君、これ。
あ、俺のトレカ。ト、トレカ?
トレーディングカードのことだよ。大人のくせに何にも知らねえのな。
これあげるからさ、話聞かせてよ。
それもともと俺のじゃねーか。
資本主義社会の基本は等価交換だぜ。
等価交換、等しい、同じ価値のものを交換する。
大人のくせに何にも知らねーのな。
うぐっ、小難しいこと言いやがって。
第一さ、いらねーよ、そんなカード。
え?そのカードさ、ダブって持ってるんだ。
あ、何枚も持ってる、同じカードを。
あんたにくれてやるよ。
おいおい、話が違うぜ。
俺と取引したけりゃ、もっとレアなやつを持ってきな。
レアなカードを持ってきてくれたら教えてやる。
レア?
焼き加減のことか?
お肉の焼き加減、ステーキとかの焼き加減、「レア」とか言いますよね。
大人のくせに何にも知らねーのな。
レアカード。珍しいカードのことだよ。
レアカードね。レアカードは持ってませんよ。
えー...レアカード、どこにあるんだ?
えー。
第2スタジオ。
まさかあのプロデューサーが持ってたりしませんよね。
お、スタッフが、スタッフの女の子がコテージにいました。
あ、どうも。こんなところで何を?
あ、えぇ、ちょっと、資料の整理を。
あの...。はい?
そちらの彼女、なんか雰囲気変わりましたね。まるで別人みたい。
気のせいですよ。
そうですよ。
違うと思うけど。
はい、ファンの子供。
あれからあの子は見かけた?
いいえ。
さっきまで大変だったんですよ。
警備員のオバちゃん、あの子を追いかけ回してたんですけど、結局逃しちゃって、すごく怒ってました。
うん、僕たちも見たよ。
さっき詰所で、羊羹を握りつぶしてました。
オバちゃんも、そこまでムキになるなよ。
衣袋さんについて。壁のポスター、みんな衣袋さんの?
そうですよ。
ほんと、こんなことになって残念です。
でも最近は、人気が落ちていたとか。
そうですね。
あのことがあってから、ですね。
あのこと?
あのこと?
弁護士さん知らないんですか?衣袋さんのこと。
知らないけど。
ご、ごめんなさい、私、余計なこと言っちゃったみたい。
あのこととは。気になるなぁ。何?あのことって。
す、すみません、わ、私の口からは言えません。
やれやれ、また口止めってやつか。
うーん...。
えー、トレーディングカードがどっかに落ちてたりしないかな。
室町時代を舞台にしたミュージカル映画よ。
ミュージカルですか!千尋さん結構詳しいんですね。
迷いが大好きだから、そのおかげでちょっとね。
うん。それ、真宵が好きな映画よ。
うちの事務所のポスターこれにしましょうか。
それはちょっと悲しいかな。
うーん、ないですね。
うーん、ちょっといろんなところを調べてみましょう。
全部さっきと一緒ですね。
うーん、ないですね。
あと、持っている可能性があるとしたら監督?
監督、楽屋に居るかな?
あ、居ませんね。
監督どこ行ったんだろう?
ちょっと1回、荷星さんに会っときます。
荷星さん。取り調べか。
仕方ないわね。
今日のところは話を聞くのは諦めましょう。
えー。
もう1回コテージ内行ってみます。
うーん。
ちょっと間違えてこの人にトレーディングカードを突きつけてしまいました。
あ、トノサマンのトレーディングカード、実は私も集めてるんですよ。
あと1枚でコンプリートするんですよね。
まさかの!コンプリート?
カードを全種類揃えることです。
へー。あ、あぁー!これ、これ、このカード、ずっと探していた最後の1枚。
まさかの...この人が欲しいカードがこれに含まれてました。
あ、あの...はしたない女だと思われるかもしれません。
でも、お願いします。
できましたら私と、その...トレードを。
トレード?
交換です。
あの、私レアカードが余っているんです。
レアカード?
珍しいカードのことです。
何卒お願いします。
なるほどくん、乙女に、乙女、女の子ですね。
乙女に恥をかかせてはダメよ。
な、なんなんだ?この意味不明な盛り上がりは。
交換しましょう。
いいですよ。
本当ですか?嬉しい。
じゃあこれ、はい。
レアカードをゲットしました。
まさかこの人が持ってるとは。
いいことをすると、清々しい気持ちになりますね。
本当にそうですね。
これでもう1回、少年のところに行きます。
えっと、こっちか。
そしてこの子にレアカードを突きつける。
なあ、このカード。
あ、あぁ、そのカード、俺の持ってない最後のレアカードだ。
な、なあ、おい、くれ、くれよ。
くれ、ちょうだい。
な、なんだ?この食いつきの良さは。
よ、よし、お兄さんと取引をしないか?
いいぜ。
さっきとは態度が全然違いますね。
トノサマンスピアーにアクダイカーンもつけるよ。
い、いやいやいやいや、カードはいいんだ。
質問に答えてくれよ。
なーんだ、そんなことか。いいよ。何でも聞いてよ。
レアカードを九太君にあげた。
さあ、なるほどくん、お話を聞きましょう。
こちらに有利なことがあったら、明日の法廷に来てもらうんです。
はい、話を聞きます。
トノサマン好きなんだ。
だってかっこいいもん。
そ、そうかな。
兄ちゃん、外見じゃないんだよ。見た目じゃないんだよ。
生き様がかっこいいんだよ。
生き様、生き方がかっこいい。
小学生が生き様を語るなよ。
兄ちゃんも好きだろ?トノサマン。
あ、ああ、大好きだよ。
なあ、どこがいい?トノサマン。
人情に厚い人柄、戦う姿、荷星のファン。
これはどれを選んだらいいんだろう。どれが正解なんだろう。
生き様がかっこいいってさっき言ってたから、内面のことをね、褒めた方がいいですかね。
人情に厚い人柄。
そ、そうだな。適当に答えるしかない。
人情に厚い、その人柄に惚れちゃうかな。
だよな、だよな。
ああ見えて、意外と優しいところがあるんだよ。
うんうん。
なあなあ、他にもあるだろ?いいところ。
うえぇ、まだあるのかよ。
なあ、どこがいい?トノサマン。
え、じゃあ荷星のファン。
えっと...トノサマンなんて知らないぞ。僕、荷星さんのファンだから。
うわぁ、兄ちゃんマニアックだな。
君に言われたくないな。
なあなあ、他にもあるだろ?いいところ。
うえー、まだあるのかよ。
なあ、どこがいい?トノサマン。
戦う姿?
敵をやっつける瞬間かな。
スカッとするし。
やっぱそうだよな。トノサマン、絶対に負けないもんな。
見てくれよ、このアルバム。
すごい、自分で撮った写真を集めてるんですかね。
トノサマンの写真ばっかり。
俺、トノサマンのショーには必ず行くんだよ。
ああ、デパートの屋上や遊園地でやってるやつか。
でさ、トノサマンが勝った瞬間を、こうして写真に撮るのさ。
1つ残らず全部写真に撮ってるんだぜ。完璧に。
なんかずっとね、ここにカメラ下げてますもんね。
見てくれよ、これ、新しいデジカメだよ。
あら、かっこいいわね。最新のモデルじゃない。
だろだろ。買ってもらったばっかりなんだぜ。
このアルバムのタイトルは『トノサマン栄光の足跡』さ。
栄光っていうのは、輝かしい、素晴らしい成績とか、そういう意味ですね。
トノサマンはどんな時でも絶対に勝つんだよ。
お姉ちゃん、よかったらこれあげるよ。
いいの?
うん、これデジタルカメラで撮ったからさ、データ残ってるし、また作れるから。
ふふ、じゃあもらっちゃおうかな。
トノサマンのアルバムをもらいました。
千尋さん、働かなくても生きていけそうだよな。
ん?
事件について。君は事件があった日もここに来ていたよね。
う、うん。
その時、何か見なかったかい?
九太君、これは正義のための質問なの。
正義っていうのは、正しいことですね。
ヒーローのことを正義の味方って言ったりします。
トノサマンはいつでも正義の味方でしょ?
あなたもそうでなければダメよ。
お、俺、俺見たんだ。全部見てたんだよ。
うーん、こいつからはまだ聞き出せることがありそうだな。
何を見たのか、目撃したことを聞いてみます。
九太君、聞かせてくれ。事件があった日、君は何を見たのか。
あの日、ここに着いたのは2時ぐらいだった。
オバちゃんに見られないように、道の外の林の中を歩いていたら、すっかり迷っちゃったんだ。
30分ぐらいかな。
で、やっとスタジオの前に出たんだよ。
そうしたら...。
どうしたの?九太君。
トノサマンが悪いやつをやっつけたんだよ。
トノサマンスピアーでさ、いつものように一撃だよ。
一発でやっつけた。すごい迫力だった。
俺、怖くなっちゃって、あの日はそれで帰ったんだ。
そ、そうなんだ。
それは大変だったね。
あんた、言葉に心がこもってないな。気持ちがこもってない。
千尋さん。
はい。
これってつまり、トノサマンが殺人犯ということですよね。
そうね。
そして監督たちはアリバイがあるから、トノサマンじゃない。
その通りよ。
すると犯人は、荷星さんしかいないことになる。
予想外のことだけど、この子を法廷で証言させたら、依頼人は確実に有罪ね。
うん、この子の証言が自分たちに有利になるかもしれないって思ってたんですけど、この子の証言は逆に、荷星さんにとって不利に働くかもしれない。
他の人はみんなアリバイがありますからね。
法廷に呼ぶの、やめましょう。
そうね、そっとしておきましょう。うん。
そうはいかないっす。
イトノコ!
今の話聞かせてもらったっす。
話を全部聞かれていました。
この少年は重要な証人っす。我々が手厚く保護するっす。
さあ少年、刑事さんと警察署までランデブーっす。
や、やだよ。うわっ。
こ、困ったわね。連れて行かれちゃったのかな。
手がかりはこれでゼロになっちゃったわ。
うん、手がかりもないし、他の人にはアリバイがある。
困りましたね。
最悪な形で。
ど、どうするんですか、千尋さん。
え、えっと...私そろそろ帰らないと。
大丈夫、なんとかなりますから。
いやいやいや、明日法廷来てくださいよ。
自信ないから。
なるほどくん、1つ聞かせて。あなたは荷星さんの無実を信じているの?
うーん、正直、今ある情報を元に考えると、荷星さんが犯人の可能性が高そうですよね。
でも、ここは弁護人として信じたい。
信じている。当たり前じゃないですか。
その一言が聞きたかったの。
いいわ、明日法廷でね。
あ、明日も助けに来てくれるみたいです。
はい、よろしくお願いします。
よろしくね。
続く。
今日も長かったですね。
はい、データを保存します。
はい、次回は法廷ですね。
あの少年が証人として出廷します。
うーん、今荷星さんにかなり不利な状況ですけど、次回の法廷でどうなるんでしょうか。
じゃあ、続きはまた次のエピソードでやりましょう。
じゃあ今日はここまでです。
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