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こんにちは。
逆転裁判、前回は成歩堂が容疑者として逮捕されてしまうというところで終わりましたよね。
じゃあその続きをやっていきたいと思います。はい、始めます。
9月9日、午前9時52分、地方裁判所被告人第一控室。真宵ちゃんです。
い、い、いよいよなんですね。
真宵ちゃんが法廷に応援に来ています。
真宵ちゃんは前回釈放されましたね。
うん。今日でこの事件はケリがつくよ。今日で終わるよ。
あ、べ、弁護士さん、見て。何でしょう?あ、御剣検事です。
御剣検事。昨日、検事局長に呼ばれた。
ん?
今日の証人、小中氏が語ることは絶対だと言われた。
うん。小中大は、いろんな政治家とか弁護士とか検察とか警察とか、そういう人たちの弱みを握っているんでしたよね。
弱みを握って脅している。
これをバラされたくなかったら、世間にバラされたくなかったら、俺の言う通りにしろっていう風にいろんな偉い人たちを脅しています。
だから小中には力があるんですね。
だから小中が言うことは絶対だ。いくら変なことを言おうと、いくら間違った、事実とは違うことを言おうと、小中氏が語ることが絶対。正しい。
君が彼の証言に対してどんな攻撃をしようと、私が異議を唱えれば、裁判長は必ず聞き入れるだろう、と。
この裁判長も弱みを握られてるんですかね?
成歩堂がどんなに反論をしても、御剣が「異議あり」って言って異議を唱える、成歩堂が間違っていると言えば、裁判長は全部、「分かった」と聞き入れる。
裁判長にまで小中の力は及んでいるのか。つまり僕の有罪はもう決まってるというわけだ。
勝ち目がないっていうことですね。
私は有罪判決を勝ち取るためならば何でもする男だ。
どうしてなんですか?あなたはそうやって罪のない人を苦しめて。
罪のない?そんなことがどうして私たちにわかる?罰を逃れるためならば、彼らはどんな嘘だってつく。見分けることなんてできない。
それならば私にできることは1つ。被告人をすべて有罪にする。
恐ろしいですね。悪いことをしていない人までみんな有罪にされてしまう。
それが私のルールだ。
御剣、変わったな、お前。変わったな、お前。
この御剣と成歩堂は、昔からの知り合いなんですかね?
「変わったな、お前」って言ってるってことは、御剣は昔はこんな冷酷な、冷たい酷い人じゃなかった。
「昔はそんなやつじゃなかったのに...変わってしまったな」ってことだから、昔からの知り合いなのかもしれません。
え?
弁護士さん、知ってるの?この人のこと。
成歩堂龍一、手加減はしないぞ。
手加減するっていうのは、ちょっと手を抜く。
例えば大人が子供と何か勝負をするとき、大人はちょっと手加減してあげます。
本気で戦ったら子供が負けちゃうから、ちょっと手加減してあげる。本気を出さないってことですね、手加減するっていうのは。
「手加減しないぞ」って言ってるので、もう、俺は本気で戦うぞっていうことですね。
べ、弁護士さん?
真宵ちゃん、心配してます。
さあ、そろそろ開廷時間だね。裁判が始まります。
あ、で、でも、弁護士さんを弁護する弁護士さんがまだ...。そうですね、誰に弁護してもらうんだろう。
弁護は僕が自分でやる。
そんなことできるんですか?
え?さあ行くよ。
9月9日、午前10時、地方裁判所第一法廷。
これより成歩堂龍一の法廷を開廷します。
検察側、準備完了しております。
弁護側、準備完了しております。
成歩堂くん、本当にいいんですね。
この裁判官も、おそらく小中に何か弱みを握られているから、成歩堂を有罪にするつもりなんですよね。
本当にいいんですね?と確認しています。はい、自分の弁護は自分でします。
わかりました。では御剣検事、冒頭弁論を。
事件の流れはすでに明らかであるから、本日は被告人の犯行を見た証人の証言を聞いていただく。
なるほど。もう事件の内容はみんなわかっているので、そこは飛ばして、証人を呼びます。いいでしょう。では早速呼んでもらいましょう。
話がスムーズに進みすぎる。うん。
普通なら、なぜ小中が前回の法廷に出てこなかったか、問題になるはずなのに、そんな様子はない。
うん。小中も事件を目撃したと言っていましたから、本当だったら目撃者として、証人として、前回梅世さんと一緒に法廷に来るべきでしたよね。
でもそれを何も突っ込まないから、おかしいなって言っています。
どうしよう。無駄だとは思うけど言ってみるか。
言ってみましょう。発言する。
御剣検事にお聞きしたい。その証人はなぜ綾里真宵の裁判には出廷しなかったのか。
ふっ。すまなかったね。小中氏は多忙な人物なのだ。忙しい。
そしてあの時は松竹梅世の証言だけで十分だと思ったものでね。申し訳ない。
さすが御剣検事、潔い態度ですな。
感心してます。
くそ。やつがかっこいいところを見せただけで終わっちまった。
では、小中大氏を入廷させていただこう。
はい、小中が出てきました。
証人の名前を伺いたい。
イエスアイアム。キラキラ光ってます。
名前を聞いている。
オー、ソーリー。アメリカ生活が長いもんでね、苦手なんだよニポンゴ。
名前くらいは分かりそうですけどね。
名前だ。早く名前を答えなさい。
いいコンビだ。ボケとツッコミみたいになってますね。お笑いのコンビみたい。
ぼかぁ小中大、マサル・コナーカ。株式会社コナカルチャーの社長、いや、プレジデントだ。
被害者の綾里千尋をご存知か?
ネバーギブアップ。知らないね。
証人は事件のあった夜、板東ホテルに?イエス。
そこで事件を目撃したというわけだ。アハン。
よくわかってるじゃないか。では小中さん、証言をしていただきましょう。
どうにかしてこいつの証言を崩さなきゃ、おしまいだ。
証言を崩す。証言の間違っているところを指摘しないと。
まったく、どうしていつもこう崖っぷちに立たされるんだ。
崖っぷちに立つというのは、ピンチということですね。
ふっふっふ。覚悟はいいかい?ミスターベンゴシ。
弁護士さん、頑張って。
はい、小中の証言が始まります。
事件の当夜、目撃したこと。あれはそう、ちょうど9時頃のことだったよ。
僕は窓のそばで書類をリーディング、読んでいたんだ。
すると窓の外で物音がしたんだよ。
僕はその音に驚いて、向かいのビルを見たね。
するとギザギザヘアーの男が、ロングヘアーのレディーを襲っていた。
ギザギザヘアーの男っていうのは成歩堂のことですね、成歩堂が千尋さんを襲っていた。言うまでもなく君だよ、ミスターベンゴシ。
僕は梅世くんを呼んだね。彼女もそれはびっくりだよ。被害者は、その、必死に逃げたが、君は追いすがった。
ジャストフィット。それでジエンドさ。
ふむ。その目撃に間違いがなければ、被告人の有罪は決定ですね。
では被告人、あ、いや、弁護人、尋問を。はい。はい、尋問開始。
あれはそう、ちょうど9時頃のことだったよ。
うん、とにかく揺さぶっていきましょう。
その時間はどうしてわかるんですか?
なぜなら僕は常に完璧にパーフェクトだからさ。いやいやいや、それじゃダメです。
疑り深い男だね。疑り深い、怪しいって思って信じない。
うーん、秘書。英語でなんて言ったっけ?日本語が苦手って言ってたのに英語が出てこないんですね。
秘書って梅世さんのことですね。とにかく、梅世くんが9時にルームサービスを頼んだんだ。
うん、梅世もそう証言してましたね。ボーイの証言もありました。それが届いた時のことだったからね。
梅世もそんなことを言っていたけど。
とりあえずさらに追求しましょう。
確かにコーヒーを運んだボーイは梅世さんを見ています。
でも彼はあなたは見ていないと証言している。
アハン、そのことかい?
梅世くんは部屋の外でコーヒーを受け取ったからね。見えなくて当然だね。
自分は部屋の中にいたから、ボーイは自分を見てなくて当然だって言ってます。うーん、その時間、証人は何をしていたか?
僕は窓のそばで書類をリーディング、読んでいたんだ。
うーん、これもとりあえず揺さぶってみましょう。
窓というのは綾里法律事務所の真正面にある?
イエス、ホテルの窓はあれしかないよ。
そこで書類を?
イエス、ビジネスホテルはビジネスをする場所だよ、君。
すると窓の外で物音がしたんだよ。
物音ですか?
何か音がした。
たぶんその時に襲いかかったんだろうね。
なるほど。そして?
僕はその音に驚いて、向かいのビルを見たね。
その音を聞くまでは書類を読んでいたわけですか?
まあね、僕は覗きは趣味じゃないんだな。よく言うよ。
すると、ギザギザヘアーの男がロングヘアーのレディーを襲っていた。
ギ、ギザギザヘア?
言うまでもなく君だよ、ミスターベンゴシ。
その証言は松竹梅世の発言と矛盾しています。確かに。松竹梅世は、犯人の体型は少女だったと言いました。
僕は目がいいのが自慢でね。視力はいくつですか?
両目合わせて2.7さ。
あんまり視力両目合わせた数字を言いませんけど、まあだいたい左右、片目1.3か1.4ぐらいってことですね
合計しないでください。
まあ、それならばよく見えるでしょうね。
だから梅世の証言が間違ってるって言ってるんですね。自分は目がいいから、梅世よりもはっきり見えた。
くそっ。裁判長はこいつの味方か。うん。
それで、証人はどうしたか?
僕は梅世くんを呼んだね。彼女もそれはびっくりだよ。
その時梅世さんは何をしていましたか?
テレビドラマを見終わって泣いていたよ。
あなたは彼女が盗聴していたことは知っていましたか?
それは本件とは関係ないことだ。
構わないよ。いいですよ。答えよう。
あれは秘書が勝手にやったことさ。
うん、千尋さんの電話を盗聴していた、あれは、梅世さんが一人で勝手にやった。
僕が指示したわけではない。政治家みたいな口の聞き方ですね。
政治家もよくね、何か悪いことをして追求された時に、秘書が勝手にやったって言って言い逃れようとしますよね。
ふふん。僕はプレジデントだからね。
それで、どうなりましたか?
被害者は、その、必死に逃げたが、君は追いすがった。
もう少し詳しく思い出せませんか?大事なことですから。
アンダスタン、アンダスタン。了解したよ。分かった分かったってことですね。
被害者は君の攻撃を受けて左に逃げたんだ。君はそれを追いかけていって殴りつけた。
間違いないだろうか?
僕は常に完璧にパーフェクトだからね。
では、そのように証言を変えてもらいましょう。
左に向かって被害者は逃げた。君はそれに追いすがった。なんかここ重要そうですよね。
なんか矛盾してないかな?
梅世の証言によると、「被害者の千尋さんは攻撃をかわして右に向かって逃げた」ってなってます。
これは矛盾してますね、今小中は、左に向かって逃げたって言ったから。これを突きつけてみます。
ちょっと待ってください。小中さん、墓穴を掘りましたね。
墓穴を掘る。うーん、自分で自分をピンチに追い込むっていうことです。墓穴を掘りましたね。
な、何のことだい?
あなたは左に逃げたと言いましたね。しかしそれは梅世さんの証言と矛盾します。
彼女ははっきり右へ逃げたと証言しています。
アハン。多分彼女の見間違いじゃないかな。
それはどうでしょうか。
上面図を見てください。
犯人はこの位置にいました。この赤い丸が犯人ですね
そして被害者はこの辺り。
あなたの言う通り被害者が左に逃げたとしたら、そっちは出口のドアとは逆方向になります。
確かにドアは右の方にありますから、千尋さんは逃げようと思ったら反射的に右に行くはずですよね。
彼女は逃げ道がない方へ逃げたことになる。
左に逃げてしまったらドアがないから、犯人に追い詰められて逃げられなくなってしまいますよね。
かなり不自然な状況です。
確かに。
何ですか、この顔は。
へ、変だな。
確かに左に逃げたのを見たんだよ、僕は。
弁護士さん、あの顔、嘘はついていないみたい。
確かにね。
どうやら小中は、被害者が左に逃げるのを実際に目撃したみたいだな。
待てよ。
成歩堂くん。はい。松竹梅世は右と言い、小中さんは左と言っている。
この矛盾について、あなたはどう考えますか?
今、真宵ちゃんが小中は嘘をついていないみたいだよっていうアドバイスをしましたよね。
でも、梅世の証言も間違ってないと思う。
だから二人とも正しい?
二人とも本当のことを言っていると思います。
はあ、お話にならない。話にならない。
それでは矛盾は解決しないではないか。
2つの証言が矛盾しない答えがたった1つだけあります。
な、なんだと?
小中さんが事件を目撃した場所は、ホテルじゃなかったんですよ。
うん。ざわざわざわざわ。
どういうことですか、弁護人?証人が事件を目撃した場所はホテルではなかっただと?
じゃあどこだったと言うんだ?
綾里法律事務所ですよ、もちろん。
もっと正確に言うならば、このポイントです。
事件があった時、小中がいた場所は...あ、こうやって指を動かしたらいいのね。
なるほど。梅世さんはこっち側から見てたから被害者が右に逃げたように見えたけど、小中は反対側から見ていたから左に逃げたように見えたっていうことですね。
だから小中はここ、犯人の場所にいた。
それはここです。
いいですか。被害者がドアに向かってこのように逃げた時、このポイントから見れば、左に逃げたように見えるのです。
いい加減にしたまえ。そ、そのポイントは、犯人が立っていたポイントではないか。
静粛に、静粛に。法廷の秩序を乱す者は退廷を命じます。
秩序を乱すっていうのは、ルールを守らないで混乱させる。
秩序を乱す者は出て行ってもらいます。
成歩堂くん、なんということを!
この裁判官は、なんとしても成歩堂を有罪にしないといけません。
小中を有罪にするわけにはいかない。だから、「なんということを言うんだ!」って怒ってますね。
貴様。汗かいて、ちょっとやばいって思ってるのかな?さすがの小中もちょっと焦っています。
弁護人の推理はこじつけに過ぎない。
こじつけ、無理やり作った話だってことですね。
こじつけに過ぎない。
そうですね、かなり強引な感じが...。
ふっふっふっ。もう裁判官も自分の味方をしてくれてるから、また余裕のある表情に戻りました。
楽しませてくれるね、ミスターベンゴシ。
なんだ?笑っている?
リメンバーリメンバー。今の刺激で思い出したよ。
刺激があったので、あ、思い出しました。
ちょっと誤解を招く言い方をしてしまったみたいだね。
うん、誤解させてしまった。
ミスター裁判長、もう一度証言させてもらえないかな。
わかりました。では証言をお願いします。
うん。一度崩れた証言はもう立て直せないさ。
梅世くんの証言は正しいよ。もちろん僕のもね。
君がレディに襲いかかった時、彼女はまず左に逃げたんだ。
そして思いっきり彼女を殴った。これが僕が見た部分だ。
次に彼女は最後の力を振り絞って右に逃げたんだ。
君はそれを追いかけて彼女に最後のとどめを刺した。
もうすでに死にそうになっていたところに、とどめを刺した。
ここが梅世くんが見た部分だ。
なるほど。
千尋さんは左にも逃げたし右にも逃げた。
で、左に逃げた部分を自分は見て、右に逃げた部分を梅世は見たと言ってるんですね。
どうだい?君は2回殴ったわけさ。
思い出したかい?ミスターベンゴシ。
ふむ、それなら筋は通りますね。
それなら話は矛盾していない。
弁護人、尋問は?しますよ、そりゃ。当然しますよ。
ま、とにかく揺さぶっていきます。
それはどういう?
これからそれをトークするんじゃないか。
ニッポンジンはすぐ結論を急ぐ。悪い癖だよ。
あんたもニッポンジンだろうが。
君がレディーに襲いかかった時、彼女はまず左に逃げたんだ。
まずってどういうことですか?
まずっていうのは、「次に」の前だよ。
まあ落ち着いて聞きたまえ、ミスターベンゴシ。
とにかく彼女は左に逃げた。
そして思いっきり彼女を殴った。これが僕が見た部分だ。
僕は殴ってない。
まあまあ、隠しなさんな。隠さなくていいよ。
いやいやいや。
弁護人、証言の邪魔はやめてもらいたい。
やめてもらえますかな。
なんで僕が怒られるんだよ。
次に彼女は最後の力を振り絞って右に逃げたんだ。
君はそれを追いかけて彼女にとどめを刺した。
その「君は」っていうのやめてください。
だってあれは君だったからね。
弁護人、君ではないというなら証拠を見せるんだな。
くそ、僕のイメージがどんどん悪くなるぞ。
続けていいかな。
ここが梅世くんが見た部分だ。
どうだい?
君は2回殴ったわけさ。
うん、これね、私覚えてますよ。これこれ。
解剖記録によると、綾里千尋は鈍器で1回殴られて死亡したと書いてあります。
1回しか殴られてないんですよ。
だからこれは矛盾してる。
突きつける。
いいですか?
被害者は1回だけ殴られて死んでいるのです。
何か言うことは?
む、む。今がチャンスだ。畳み込むぞ。
小中さん、あなた完璧にパーフェクトだったのでは?
うー。そのフレーズはもう使わないことにするよ。
裁判長、小中さんにもう一度証言をお願いします。
証人の記憶は混乱している。ここで10分の休憩を申し入れたい。
10分休憩させてください。
そ、そうですね、もう裁判官はいいなりですね。全部検察側の言うことを聞きます。
記憶が混乱しているのは、証人が嘘をついているからです。
今ここで休憩を入れるのは、断固、絶対、反対します。
そうだ!早く続きを!逃げるな、小中。
わかりました。証言を続けましょう。
もう傍聴席に座っている人たちも、続きが気になる、早く続きを知りたい、真相を知りたいってなってますね。
傍聴人が味方についたぞ。これでもう逃げられない。
いいですか、小中さん?
イ、イエス。
その...なんだ?あれが倒れる音で僕は向かいの窓を見たわけだが。
さっきなんか物音がして窓を見たって言ってましたけど、物音っていうのは何かが倒れる音だったそうです。
次の瞬間...あ、押しちゃった。
犯人、君は襲いかかったが、彼女はそれをかわしたんだ。
そしてその...向きを変えてドアの方へ逃げようとした。君はそこで一発ぽかりとやったんだ。
うん、また証言を変えてきましたね。さっきは2回殴ったって言ってましたけど、1回かわして、もう1回反対方向に行った時に一発殴ったって言っています。
ふむ、ぽかりとね。
では尋問を。
ミスター裁判長、僕はちょっとお腹が痛いんだが。
我慢してください。もうちょっとで終わりますからね。
はい、尋問開始します。
その...なんだ、あれが倒れる音で向かいの窓を見たわけだが。あれって何でしょう?
あれが倒れる音?あれって何ですかん。
ん?あ、え、あれ、ガラスの電気スタンドだよ。
ガラスの電気スタンド?
これですね、ガラスの電気スタンドが粉々になった破片が落ちてました。
これだね。
ああ、現場に倒れていたやつか。
弁護士さん、なんかちょっとおかしくないですか?
わかんないけど、気になる。
確かに気になるな。
もう少し揺さぶってみるか。
小中さん。な、なんだい?
あなたはガラスの電気スタンドを見たわけですか?
そ、そうさ。
では、そのあたりを証言し直してください。
そ、ソーリー、ソーリー、すまないね。
では小中さん、証言を訂正してください。
証言を何回も何回も訂正しますね。
お、オーケー、オーケー。
向かいの窓を見たら、電気スタンドが転がっていたんだよ。
次の瞬間、ミス・チヒロは左に逃げていた。
犯人、君は襲いかかったが、彼女はそれをかわした。
そして向きを変えてドアの方へ逃げようとした。
君はそこで一発ぽかりとやったんだ。
うーん、なんか突きつけるものあるかな?
電気スタンドは粉々に割れていたんだから、転がっているのを見たっていうのはおかしいですよね。
これだ。
小中さん。
電気スタンドが転がっているのを見るのは不可能なんですよ。
そんなことありえない。
な、なんだと?
スタンドは粉々に砕けていたんですよ。
うげっ。
砕けた破片だけを見ても、それが電気スタンドだとはわからない。
じゃあ一体あなたはいつスタンドを見ることができたのか、答えてください。
き、決まってるだろ。
た、倒れる前に見たのさ。
でも倒れた音で向かいの窓を見たって言いましたよね。
つまり被害者が襲われる前に見たわけですか?
イエス。
それなら問題あるまい。どうだろう。
うーん...でもいつ見たの?
綾里法律事務所に行ったってことですよね、電気スタンドを見たってことは。問題あります。
大きな問題があります。
な、なんだよ、問題って。
小中さん、あなたの言い分はこうですね。
殺人事件が起こるより前に、ホテルから窓越しにガラスの電気スタンドを見た。
あ、窓越しに見たってこともありえるのか。
イエス、そ、そうだよ。
そんなことはありえない。
スタンドを見るのは不可能です。
ん?
な、なぜですか?証拠でもあるのですか?
もちろんあります。え?
電気スタンドを...あ、ちょっと上面図を見てみましょう。
電気スタンドはここにあったんだから、向かいの窓からは見えるはずがないってことかな。
うん、戻ります。
ホテルにいる人間に、倒れる前のスタンドは見ることができない。
はい、ホテルから見えるはずがない。
これを見てください。
それは現場の上面図ですか?
その通りです。いいですか?
現場の窓越しに事務所を覗くとなると、見えるエリアはズバリこうなります。
どうですか?
スタンドは見えるエリアに入っていません。
さあ、小中さん、どうですか?
ぐ...ぐぉ...バ、カ、な。
そんなはずはない。
いいですか、小中さん。あなたがもし板東ホテルにいたのならば、倒れる前のスタンドは見ることはできなかった。
そして倒れた後も見ることはできなかった。
粉々に砕けた破片を見ても、それがスタンドだとはわからない。
となると、あなたはいつスタンドを見ることができたか。
それは倒れた瞬間しかない。
そしてそれが見えるのは、綾里法律事務所しかない。
あなたは犯行があった瞬間、殺人現場にいたんです。
うおぉぉぉぉぉぉ。
こ、小中さん?
小中さん?
何も言いません。
あなたがやったんですね。
さあ、自白するでしょうか。
罪を認めるでしょうか。
ミ、ミスター裁判長、ぼかぁ、ぼかぁ...ミスチヒロを...。
ふぅ、どうやら勝負は決まったな。
御剣が入ってきました。
そこまでだ。成歩堂龍一。
な、なに?
くそ、こいつを忘れてた。
小中氏、もうそろそろ潔く罪を認めてしまったらいかがなものだろう。
もう潔く罪を認めて、自分がやったって認めてすっきりした方がいいんじゃない?
フ、フワッツ?
あなたが犯した犯罪を認めるのだよ。
どういうこと?
認めちゃダメですよね。
認めさせたくないんですよね。
すなわち、盗聴のことをね。
盗聴の罪を認めた方がいいよって言ってるんですね。
盗聴だって?どういうこと?
せ、静粛に。
み、御剣検事、今の発言はどういう?どういうこと?
皆さん、小中氏は今少し混乱しておられる。
私の方から説明しよう。
なんか雲行きが怪しくなってきたぞ。
雲行きが怪しい。雨が降ってきそうの時に「あ、雲行きが怪しくなってきたね」って言いますけど、
ま、こういうピンチの場面でも、ちょっと自分に不利になってきたっていう時に、「雲行きが怪しくなってきた」って言います。
ご存知の通り、皆さんも知っている通り、小中氏はコナカルチャーの社長だ。
彼は秘書の松竹梅世に命令して盗聴をさせていたのだ。
そ、それがどうかしましたか?
問題は、誰がいつ盗聴器を綾里法律事務所に仕掛けたかだ。
梅世がしたんじゃないの?
ま、まさか。
小中氏、盗聴器を仕掛けるため、あなたが綾里の事務所に侵入した。間違いないだろうか。
なるほど。盗聴器を仕掛けに行った時にスタンドを見たって言うつもりなんですね。
賢いですね、御剣さん。
あ、気づきました、その作戦に。イ、イエス。それだ。
その通りだ、ミスターケンジ。
な、なんだって?
僕は盗聴器を仕掛けるために綾里法律事務所に行ったんだ。
その時にあの電気スタンドを見たんだよ。
つまり、どういうことですか?御剣検事。
よろしいか?成歩堂龍一の主張はこうだ。
小中氏は殺人現場にガラスのスタンドがあるのを知っていた。
しかし彼がそのスタンドを見ることができたのは、殺人事件が起こった瞬間しかなかった。
だから小中氏が犯人である。
そうですね。はい、それが成歩堂の主張です。
しかし、事件が起こるずっと以前に、小中氏は現場に行ったのだ。
盗聴器を仕掛けるために。
その時にガラスのスタンドを見ていれば、成歩堂龍一の推理は完全に崩れてしまうのだ。
小中さん、その時のことを証言してください。
アハン、任せてくれたまえ。
め、めまいがしてきた。
はい、また証言が変わります。
あれはそう、9月の頭だから、事件の約1週間前かな。
僕は綾里法律事務所に侵入したんだよ。
もちろん盗聴器を仕掛けるためだよ。
その時にね、確かに見たんだ、ガラス製の電気スタンドを。
1週間前に見た。ふむ。事件の夜、物音を聞いただけでスタンドだとわかったのは、前もってそれを見ていたからですか。
イエス、アイ、ドゥー。その通りだよ。
なるほど。では、成歩堂くん、尋問を。
うーん。くそ、どうやって攻めればいいんだ。
とにかく...あ、待って。真宵ちゃんがなんかアドバイスをくれそうです。
弁護士さん。あ、違った。
はい、とにかく揺さぶっていきましょう。
はい、事件の約1週間前に見たって言ってます。
その証拠はあるんですか?
松竹梅世は電話の会話内容を知っていた。
それは盗聴器が事件の起こる以前に仕掛けられていた証拠だ。
まぁそうね。うぅ...。
僕は綾里法律事務所に侵入したんだよ。
本当にあなたが侵入したんですか?
あるいは梅世さんが。
綾里法律事務所に正体不明の古い指紋があった。
誰のかわからない指紋があった。
おそらく小中氏の指紋だろう。
御剣め、きっともう指紋は調べているに違いないな。
さて証人、何のために綾里法律事務所へ?
もちろん盗聴器を仕掛けるためだよ。
なぜ千尋さんの電話に盗聴器を仕掛けたんですか?
それは本件、この事件とは関係のないことだよ。
盗聴機を仕掛けたっていう事件は、またね、別の事件だから、これとは関係ないって言っています。
コナカルチャーは、一応探偵業でね。依頼人に対する守秘義務があるんだよ。
依頼人、クライアントに対する守秘義務がある。
仕事で知った情報を他の人に言ってはいけない。
仕事で知った秘密を漏らしてはいけない。それが守秘義務ですね。
その時にね、確かに見たんだ、ガラス製の電気スタンドを。
なぜ電気スタンドなんかを目に留めたんですか?
あのスタンド、すべてのパーツがガラス製でね、あんまり綺麗だったんで印象に残ったんだ。
ハウ、ビューティフォー、ザ、デンキスタンド、イト、ワズってところかな。
くそ、攻めようがないぞ。
とにかく揺さぶりまくって突破口を見つけるしかないな。
突破口。何かこの壁を突破するなんか糸口、ヒントを見つけるしかない。
はい、もう1回揺さぶりましょう、これで。
うん、これさっきも同じやりとりしましたね。
さっきも同じやりとりしました。
うーん...え、ちょっと待って。もう攻撃しようがないってなっちゃった。
くっくっくっ。そこまでかな、弁護士君。ではそろそろ諦めてもらおうか。え、やだ、終わっちゃう。
お疲れ様。もう...。
え?ダメだ。
弁護人、もう諦めますか?
いや、諦めません。
は...。え?嘘。やだ。
ナルホドくん。お?誰?ナルホドくん、こっちよ。
誰?この声は...。ち、千尋さん。
諦めちゃダメよ、ナルホドくん。
どういうこと?ち、ひ、ろ、さ、ん。
幻覚が見えてるんですかね?
本当にはないものが見えてる。幻覚が見えてるのかな。
ここは?
休憩室か。あ、さっき倒れたのかな。
僕はどうして?
そうだ、裁判に負けて幻を見たんだっけ。
千尋さんの幻を見た。
え、終わっちゃうの?あっ。
気がついたみたいね。
まだ幻を見てますね。
ギャッ。
また倒れた。
あ、ちょ、ちょっと、ナルホドくん。
失礼ね、人の顔を見て「ギャッ」なんて。
ナルホドくん、よく見て、私を。
怖い怖い。
あ、真宵ちゃん。き、君は...。真宵ちゃんの格好をしてるけど、顔は千尋さんです。
ま、真宵ちゃん?
綾里家の女は霊力が強いの。知らなかったかしら?
真宵ちゃんが霊力を使って、霊媒師の力を使って、千尋さんの霊を呼んだってことかな。
あなたが負けを認めようとした最後の瞬間、真宵の力がやっと目覚めたみたい。
真宵ちゃんの霊力で千尋さんを呼んだんですね。
真宵ちゃんが霊媒してるんだよね。
そう、私は真宵。でも今は千尋なの。
いい?ナルホドくん、真宵は諦めなかったわ。
だから私は今ここにいる。
あなたも諦めちゃダメ。
で、でも...。
時間がないわ。聞きなさい。実はね、あなたはもう勝っているの。
え?
あなたが持っている証拠品の中に領収書があるわね。
領収書?
あ、これね。えっと真宵ってダイイングメッセージが書かれてた紙。
これはデパートの領収書、レシートの裏でした。
はいはい、ありましたよ、領収書。
あ、ああ、千尋さんが「マヨイ」って書いた。
バカね、それは小中が書いたに決まってるでしょ。
うん、やっぱり真宵ちゃんに罪をなすりつけるために、真宵ちゃんに疑いがかかるように、小中が書いたんですね。
で、それがどうかしたんですか?
その証拠品、裏面を見てみなさい。
裏ですか?
領収書。発行したのは有名なデパートみたいだ。
10万円也。高いな。
品名、ガラス製の電気スタンド。
あの電気スタンドを買った時の領収書ですね。
10万円もしたんだ。
発行日、9月4日。
さっき小中、盗聴器仕掛けに行った日、何日って言ってましたっけ?
9月4日って...。
そうよ、ナルホドくん。
私がそのスタンドを買ったのは、あの事件の前日のことなの。
だから、1週間前に盗聴器を仕掛けたというのが本当だとしたら、小中はその電気スタンドを見たはずがありませんね。
な、何ですって?
さっき小中は何て証言していたかしら?
「あれはそう、9月の頭だから、事件の約1週間前かな」って言ってましたね。
スタンドを見たのは、事件の1週間前って。
さあ、そろそろ審理が再開される時間よ。
裁判が再開されます。
行くわよ、ナルホドくん。無罪を勝ち取るためにね。
は、はい。
はい、証拠品、領収書のデータを書き直した。
はい、審理が再開されます。
これより、成歩堂龍一の法廷を再開します。
大丈夫かな?成歩堂くん。
はい、すみませんでした。
では、先ほどの続きに戻りましょうか。
裁判長、我々に戻るべき続きなど存在しない。
すでに小中氏の尋問は終わっている。
あとは被告人成歩堂龍一に判決を言い渡すだけだ。
有罪って判決を言い渡すだけだ。
ふむ。
裁判長、もう一度だけチャンスをください。
これで最後です。
ふむ。
しかし、もう勝負はついているのは確かですね。
御剣検事、どうしますか?
成歩堂龍一、最後のチャンスをくれてやろう。
最後のチャンスをあげるよ。
余裕ですね。もう勝ったと思ってるから。
わかりました。
では、小中氏の尋問をお願いします。
こっちには証拠があるんですよ。
はい、早速突きつけます。
これですね。
これを見てください。
血文字でマヨイ。
はっ、今となっては意味のない。
問題は、これが領収書の裏であるということです。
なんだと?
裁判長、その領収書には何が書いてありますか?
ふむ。
ガラス製の電気スタンド、発行日は事件の前日です。
つまり小中さん、あなたが綾里法律事務所に侵入した9月の頭には、あのスタンドはまだなかったんですよ。
ホワー...ホワーット?
どうですか?小中さん。まだ言い逃れできますか?
もう言い逃れできませんね。
ノー、アイ、キャント。
おやおや、放心しちまったよ。
放心するっていうのは、もうショックでもう心がなくなっちゃったみたいになってること。
放心する、放心状態になる、とか言いますね。
さあ、裁判長、あなた方にいくら強い圧力がかかっていても、こうなった以上、もうこうなったら、僕を有罪にすることはできないはずです。
これだけ証拠が揃ってるんだから、いくら小中に脅迫されてると言っても、僕を有罪にすることはできない。
わかりました。それでは真理はこれで終了。
そこまでだ、成歩堂龍一。
え?
まだなんかあるんですかね。
おいおい、嘘だろ。まだ食い下がるつもりかよ。
まだ諦めない。
弁護人の意見は確かに一理ある。
うん、まあ確かにそれも正しい。
しかし、成歩堂龍一が無実であるという決定的な証拠もないのだ。
うーん、そっか。成歩堂が無実であるという証明にはなっていない。
そこで、あと1日、判決を待ってもらいたい。
え、まだ続くんですか?
もう一度調査をし直す時間が欲しい。
ほ、ほう。も、もう一度調査だと?
まさか千尋さんの解剖記録みたいに、また何か証拠をでっち上げる気じゃ?
なるほど。もう1回調査します、もう1回調べますって言って時間をもらって、その間に何か嘘の証拠を作る、証拠をでっち上げるつもりなんじゃないのか?
まずい。異議を申し立てましょう。
小中の有罪は明白です。明らかです。
誰が見ても小中が有罪です。
これ以上審理を延ばす必要は全くありません。
ふむ。うん、裁判官、悩んでいます。
御剣検事、いかがかな?
しかし、小中氏を起訴するのは私たち検察側だ。
うん。君の推理が正しいかどうか、1日調査したい。
ふむ、わかりました。
成歩堂くんの異議を却下します。
えー。「えー」ですよ、本当に。
成歩堂龍一の審理は明日まで延期します。
ダメだ。今ここで決着をつけなかったら、勝負を決めなかったら、御剣はきっと何かやるに違いない。
うん。またいろいろ嘘の証拠を作ったりして、絶対成歩堂が負けてしまいますよね。
せっかく千尋さんに助けてもらったのに。
ミスター裁判長、僕はもう帰っていいのかな。
え?このまま終わっちゃうの?
もちろん構いません。ご苦労様でした。
く、くそ。
あ、出ました千尋さん。
証人、待ちなさい。
ち、千尋さん。
ナルホドくん、このメモを読み上げなさい。
千尋さん、これは?
千尋のメモ。
千尋さんの字で、人物の名前が書いてある。リストのようだ。
千尋さんからメモを受け取りました。
裁判長、ちょっとよろしいですか?
成歩堂くん、あなたもなかなかしつこいですね。諦めませんね。
当たり前だ。こっちは命がかかってるんだぞ。
確かにね、そう簡単に引き下がるわけにはいきませんね。
これから僕が読み上げるものを聞いていただきたい。
僕は千尋さんがくれたリストを読み上げた。
どこかで聞いたことのある名前が並んでいる。
これは政財界の有名人たちの名前か。
政財界っていうのは、政治の世界と経済の世界のこと。
政財界の有名人ということは、これは政治や経済の世界でトップの人たち。だから、まあ権力を持っている人たちのことですね。
その時、スタァップ!やめろ。やめさせろ。
あ、これは小中が脅迫してきた人たちのリストだったのかな。
な、なんで貴様がそのリストを持ってるんだ?
証人、あなたがここで罪を認めないのであれば、このリストはマスコミに公表されるでしょう。
あれかもしれないですね。前回出てきた、えっと、自殺した人たち。
小中に脅迫されて追い込まれて、自殺してしまった人たちの新聞記事を千尋さんが集めていましたよね。
そのリストかもしれない。
わかんない。違うかもしれないけど、まあ、小中に追い詰められた人たちのリストをマスコミに公表すれば、
小中がどれだけ悪いことをしてきたかっていうことが世間にバレてしまいますから、困りますね。
だからこれを公表されたくなかったら、罪を認めなさいと言っています。
はい、罪を認めるんでしょうか。
あ、認める。認めるよ。ぼかぁ、ぼかぁミス・チヒロを、あの考える人で殴ったんだ。
自白しました。
以上です、裁判長。
どうやらこれ以上の審理は必要ないようですね。
成歩堂くん。はい。またやってくれましたね。
いやぁ、たまたまツイていただけですよ、すご腕の霊が。
そうですね。すご腕の、ね、腕のいい霊、つまり千尋さんですね。がついていてくれたから、できただけですよ。
でも、この成歩堂が言っているツイていたっていうのは、運が良かった、ラッキーだったという意味ですね。
ふむ。では弁護人、いや、被告人成歩堂龍一に、判決を言い渡します。
無罪。
はい、よかったです。
では、、本日はこれにて閉廷。
9月9日午後2時24分、地方裁判所被告人第一控室。
またこうして「おめでとう」って言えるなんて。綾里家に生まれたことに感謝しないとね。
真宵ちゃんにも。
そうね。
ありがとう、ナルホドくん。
私と真宵のためにこんな危ない目にあって。私一生忘れません。
千尋さんの一生はもう終わってるんですけどね。
あの世に行ってもずっと忘れませんってことですかね。
「一生」ねぇ...。ナルホドもちょっとそこが引っかかってますね。
そろそろ時間ね。
真宵の霊力はまだとても弱いわ。
そんなに長くこっちにはいられないの。
こっちっていうのはこの世ですね。
あの世に戻らないといけない。
そ、そんな...まだ言いたいことが。
心配しないで。また会えるわ、きっと。
しょ、所長。
ふふ、もう私は所長じゃないわ。
ナルホドくん、今夜9時、事務所に来てくれるかしら?
事務所に?
じゃあ、また会いましょうね。
所長。千尋さん。
はい、その日の夜、綾里法律事務所です。
あの夜のこと思い出しちまうな。
よく来てくれたわね。千尋さん。
来てくれないんじゃないかと少し心配だったわ。
そんなわけないじゃないですか。
来るに決まってるじゃないですか。
じゃあお腹も空いたことだし、味噌ラーメン食べに行きましょう。
ち、千尋さん?
アハハハ、面白い顔。
千尋さん。さっきから千尋さんばっかり。
あたしですよ。真宵。
ま、真宵ちゃん?
ねえねえ、似てました?あたし。
似てたっていうか本人じゃないか。
ふーん、これは使えそうだな。
「ナルホドくん、私お茶が飲みたいわ」とか言っちゃって。
あのさ、なんで君がここに?
あ、「お茶が飲みたいわ」って千尋さんの声で言って、ナルホドにお茶を持ってこさせる、ナルホドをコキ使うつもりですね。
あのさ、なんで君がここに?
ほら、これ。お姉ちゃんが手紙くれたんです。ナルホドくんのこと、よろしく頼むわって。
何をよろしく頼むの?
事務所ですよ、事務所。
成歩堂法律事務所。私お手伝いしますから。よろしくお願いします。
うん、自分の事務所を開くことになったんですね。
あ、堅苦しいのはなしにしましょうね。カジュアルにいきましょう。
よろしく、ナルホドくん。
急にタメ口になりました。
あ、お名前はお姉ちゃんから聞いたんだよ。
いい名前だね、ナルホドくんなんて。な、ナルホドくんくんって...。ね、ほら。握手、握手。
でもまあ、考えてみれば、僕がこうしてここに立っているのも、もとはといえばこの子のせいであり、同時にこの子のおかげでもある。
成歩堂法律事務所、響きは悪くない、な。うん、ま、聞いた感じは悪くない、いい名前だな。
うん、よろしく頼むよ、真宵ちゃん。
千尋さんの影がありますね。
ナルホドくん、しっかりね。
私はいつでもあなたを見てるわ。
じゃあナルホドくん、行こう。
え?え?どこに?
決まってるでしょ、味噌ラーメン。
確かなんか事件の前、千尋さんが亡くなる前に、電話で、味噌ラーメン食べに行こうって話してましたよね。
その約束の味噌ラーメンを、真宵ちゃんとナルホド2人で食べに行きます。
近くに美味しいところがあるんだよ。ほら、早く。
はいはい。
終わり。
はい、やっと終わりました。4回かけてやっと終わりましたね。
うん、えっと、第2話の『逆転姉妹』が終わったので、うん、第3話、次は『逆転のトノサマン』。なんか変な人がいますよ。
これも1日目、2日目、3日目...なんか長そうです。
はい、じゃあ今日で『逆転姉妹』が完結しました。
また今度第3話をやっていきたいと思います。
じゃ今日はここまでです。
またね!
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