
Your support helps me continue creating Japanese learning content. If you enjoy learning Japanese with Nihongo no Jikan, please consider supporting the project with a donation.
Amount (USD)
Already a monthly supporter?
Manage or cancel your subscription
You can also donate via Ko-fi or Patreon
こんにちは。
今日の動画はちょっと重い内容になるかと思います。
今日の動画のトピックは「京アニ放火殺人事件」です。
京アニ放火殺人事件。
この事件について聞いたことありますか?
2019年に起きた事件なんですけど、おそらくこの事件を知らない日本人はいないと思います。
日本中に衝撃を与えた事件です。
京アニというのは、京都にあるアニメ制作会社です。
例えば『涼宮ハルヒの憂鬱』『けいおん』『響け!ユーフォニアム』などの名作アニメを数多く生み出した有名なアニメ制作会社です。
皆さんの中にもこれらのアニメを見たことがあるっていう方、いらっしゃるかもしれません。
私はアニメを全然見ない人なので、見たことはないんですけど、アニメを見ない私でも『涼宮ハルヒ』とか『けいおん』っていうのは聞いたことがあります。
2019年の7月のことです。
京都アニメーション、通称「京アニ」の第1スタジオに1人の男が侵入し、ガソリンを撒いて建物に火をつけました。
当時建物内には70人の従業員がいたんですけど、そのうち36人が命を落として、32人が重軽傷を負いました。
亡くなった方が36人、命は助かったけれど、火傷などの怪我をした人が32人ですね。
36人もの命を奪ったということで、この事件は「戦後最悪の事件」とか、「日本の犯罪史上最悪の事件」という風にも言われています。
今回の動画では、この事件について話していきます。
この事件の概要、どんな事件なのかっていう概要だけじゃなくって、事件の背景にある日本の社会問題とか、そういった部分にも触れていきたいと思ってるんですね。
で、そうするとちょっと1本の動画ではとてもカバーしきれないなと思ったので、2回に分けてお話ししたいと思っています。
1本目のこの動画では、事件の概要と犯人の生い立ち、犯人がどんな人生を歩んできて、
どういう経緯で事件を起こすに至ったのかということをメインにお話ししていきます。
そして次回2本目の動画では、事件の背景にある日本の社会問題についてお話しします。
今回は参考文献としてこの本を読みました。
『ルポ京アニ放火殺人事件』。
ここに朝日新聞取材班と書いていますが、これは朝日新聞という新聞社の取材班がこの事件をずっと追って取材してきた内容をまとめたものです。
目次を見てみると、第1部から第3部まで大きく3つに分かれています。
第1部は「事件に至る経緯」ということで、この事件の犯人青葉真司被告の生い立ち、彼の人生や事件に至る経緯について書かれています。
そして第2部は証言の記録が書かれています。
青葉被告本人が裁判で語ったこと、それから、遺族、遺族というのは亡くなった方のご家族ですね。
遺族が語った事件や犯人への思いが書かれています。
本当にここの部分はすごく胸が締め付けられるような思いがして、うん、涙が止まりませんでした。
そして第3部は、「社会に突きつけられた課題」というテーマで書かれています。
この事件、もちろん犯人が悪い。
それは紛れもない絶対的な事実なんですが、事件の背景には、日本社会が抱える構造的な問題、社会システムの問題も潜んでいるという風に言われているんですね。
ま、そういった議論もされています。
第3部では「同じような事件を繰り返さないために」ということで、このような事件が二度と起きないように、
同じような事件を起こす犯人を生まない社会にするためにどうすればいいのかということが、何人かの専門家の視点から語られています。
これ、本当にいろんな意味ですごく考えさせられる本でした。
興味のある方は、はい、読んでみてください。
ま、簡単ではないと思いますけど、今回はと次回、この動画を見た後だったら分かりやすいんじゃないかなと思います。
はい。じゃあ内容に入っていきたいと思います。
まずは事件の概要です。
一体どんな事件だったんでしょうか?
2019年7月18日午前10時半、京都市伏見区にあるアニメ制作会社京都アニメーション、
通称「京アニ」の第1スタジオに1人の男が侵入しました。
彼は建物の1階中央のフロアにガソリンを撒き、勤務中だった社員にもガソリンを浴びせて、
一言「死ね」と言って、ポケットからライターを取り出し火を放ちました。
火は一気に燃え広がって3階建ての建物が全焼しました。
わずか1分で建物全体に火が燃え広がったと言われています。
その結果、36人が亡くなり32人が重軽傷を負いました。
多くの若い才能あるクリエイターたちの命が奪われました。
犯人の名前は青葉真司。事件当時41歳でした。
彼自身も全身に酷い火傷を負って、意識不明の状態で病院に搬送されました。
犯人は事件から1ヶ月ほど経ってようやく意識を取り戻し、その後もずっと入院して病院で治療を受けていました。
全身火傷を負っていたので、皮膚の移植手術も何度も受けたそうです。
警察は被告の回復を待って取り調べを開始しました。
ある程度回復してから、怪我の状態が良くなってから、事件の取り調べを開始したんですね。
そして事件から10ヶ月ほど経った2020年の5月に、青葉真司被告は殺人・放火などの罪で逮捕されました。
2023年の9月、裁判がスタートしました。
検察側は被告に対して死刑を求刑していました。
極刑を求めていました。
極刑っていうのは死刑を意味します。
一方弁護側は、無罪、もしくは減刑を主張していました。
無罪か死刑じゃないもっと軽い刑を主張していました。
36人も殺して無罪?って思いますよね。
弁護側は、青葉被告は当時心身喪失状態だった、心身喪失というのは、つまり正常な、普通の精神状態ではなかった、精神障害があった。
だからこんな事件を起こしてしまったんだと言って、無罪を主張していたんです。
でも裁判の末、2024年の1月に死刑判決が言い渡されました。
ただその後、青葉被告は控訴したんですね。
控訴。もう一度裁判をするように求めていたんです。
ただ一度は控訴していたんですが、実はですね、ちょうどつい先日、控訴を取り下げて、青葉被告の死刑が確定しました。
今日、この動画を撮影しているのは2025年の1月31日なんですけど、つい数日前、1月27日に青葉被告が控訴を取り下げました。
やっぱり控訴するのをやめますと言ったんですね。
もう一度裁判しなくていいですと言って控訴を取り下げたので、それで青葉被告の死刑が確定しました。
いつ死刑が執行されるかは分かりませんが、死刑を受ける予定だということが決定しました。
というのが事件の概要です。
次に、青葉被告の生い立ちについて話したいと思います。
ちょっと先に言っておくと、今からその被告の恵まれなかった家庭環境の話とか、大人になってからも社会的に弱い立場で辛い思いをしてきたこととか、
そういうことを話すんですけど、ま、誤解のないように先に言っておくと、そういう辛かった境遇を紹介するのは、
決して彼に同情するとか、こういう境遇だったから、こういう環境だったから仕方ないって事件を正当化するつもりとかは全くなくて。
彼がね、36人の命を奪ったっていうのは紛れもない事実で、どんな理由があろうと、どんな生い立ちだろうと、どんな辛い境遇に置かれていようと、
それはね、放火殺人をしていいという理由には絶対になりませんよね、当然。
それは絶対許されることじゃないんですけど、じゃあなんでその被告の生い立ちとかについて説明をしたいかっていうと、
それが第2回の、次の動画でお話ししようと思ってる、事件の背景にある日本社会の抱える問題っていうところに繋がってくるからです。
この犯人を擁護する気は全くないです。
ただ次回の動画でお話しする内容を皆さんに理解してもらうために、今日の動画で彼の境遇について詳しく話しておきたいと思います。
青葉真司被告は1978年5月16日、埼玉県浦和市で、トラック運転手の父親と専業主婦の母親の元に生まれました。
2つ上の兄がいて、後に妹も生まれました。
幼少期はごくごく普通の子供だったそうです。
お兄さんとドラクエ、ゲームのドラゴンクエストをしたり、ドラゴンボールに夢中になったり、家族5人で旅行に行ったり、ごく普通の子供時代を過ごしていました。
小学校3年生の頃、その生活が一変します。
大きく変わります。
これは被告の証言ですが、小学校3年生くらいから両親が不仲になって、両親の仲が悪くなって、父親が母親に暴力を振るうようになりました。
家庭内暴力が始まりました。
父親は母親だけじゃなくて、被告と兄に対しても暴力を振るうようになったそうです。
青葉被告は父親からの虐待を受けて育ったんですね。
その後、母は幼い子供たちを置いて家を出ていきました。
両親は離婚して、3人の子供の親権は父親が持ちました。
親権っていうのは親の権利って書いて親権って言うんですけど、父親が3人の子供を育てることになったんですね。
父と被告と兄と妹4人での暮らしが始まりました。
その後、父は仕事を辞めて無職になりました。
父親が無職で収入がないので、4人の生活はどんどん困窮していきました。
お金がなくて生活が苦しくなっていったんですね。
食べるものがなかったり、電気が止められたり、被告は貧しい過酷な生活を強いられるようになりました。
中学校に上がっても貧しい暮らし、そして父親からの虐待は続いていました。
暴力を振るう、身体的な虐待だけではなかったようです。
この本にはいろんなエピソードが書かれているんですけど、その1つをあげると、例えば被告が中学生の時、一生懸命練習して柔道の大会で準優勝したんですね。
なのにもらった準優勝の盾を燃やせって、父親に言われて、泣く泣く盾と柔道着を燃やした。
そんなこともあったそうです。
まあ、そういう父親との関わりの中で、被告は、何をしても報われない、
報われないというのは、どんなに努力しても意味がない、何をしても否定される、そんな諦めみたいな思いを抱えるようになっていたようです。
その後、中学校の途中で転校するんですけど、被告は新しい学校にうまく馴染めず、友達もできず、不登校になりました。
不登校っていうのは学校に行かないことです。
で、学校には通わずに不登校児が通うフリースクールに通い始めます。
フリースクールでは勉強も頑張って、そして定時制高校に進学します。
定時制高校っていうのは普通、高校は3年間通いますけど、定時制の場合は4年間通います。
例えば昼間は働いたりして、夜間学校に通って4年で卒業できる高校です。
定時制高校に入りました。
被告は裁判の中で、この頃が自分にとって一番いい時代だったと話しています。
勉強も頑張って、昼間はバイトも頑張って、少し自分が使えるお金も稼いで、友達もできて、
当時音楽にはまって楽器を買って演奏したり、女性とデートしたり、充実した高校時代を過ごしたようです。
その一方で、父親との関係は悪いままでした。
父親と顔を合わせたくないから、家には帰らず友人の家を泊まり歩いたりするような、そんな生活をしていたそうです。
高校を卒業すると東京に行きました。
父親から離れたいっていう思いもあったでしょうし、あとは「ゲーム音楽を作る仕事をしたい」っていう夢を抱いて、東京都内の音楽系の専門学校に進学します。
でも、この専門学校は1年間で辞めてしまいます。
その理由として、先生に質問してもお前にはまだ早いと言われたとか、自分は4年制の高校を卒業して進学しているので、
他の普通の3年制の高校を卒業して専門学校に入ってる同級生よりも1つ年上ですよね。
それを馬鹿にされたとか。そんな風に語っていたそうです。
なんかこれもどこまで事実なのか、どんなことを言われたのか分からないですけど、なんかここでも「ああ、頑張ってもお前はだめだって言われちゃうんだ」とか、
ま、被害妄想というか、勝手な劣等感みたいなものをこう募らせたのかな...なんて、ちょっとそんなことを思いました。
ま、とにかく1年で専門学校を退学して、で、埼玉に戻ったんですね。
しばらくは父と妹と同居して、コンビニでバイトをしながら暮らしました。
でもやっぱり父とは一緒に暮らしたくないということで、少し経ってから家を出て一人暮らしを始めるんですね。
でもそのわずか3ヶ月後、父親が亡くなります。
被告は父親の葬式に参列しなかったそうです。
コンビニでは7年間働きました。
週6日、働き詰めでした。
ただ7年間も働いていても、バイトという立場なので、頑張りが認められるわけでもなく、昇給するとか給料が上がるとか、
昇格、キャリアアップできるとかいうわけでもなく、7年間過ぎていって、最終的には人間関係がうまくいかないっていうことを理由に辞めたんだそうです。
その後、派遣の仕事を少しするんですが、これもすぐに辞めてしまいます。
派遣社員っていうのは聞いたことありますかね?
ある会社に、その会社の社員として雇われて働くんじゃなくて、派遣会社って呼ばれるエージェンシー的な会社に登録をしておいて、
そこからこの会社に派遣されて働く。
そういう雇用形態、そういう仕事の仕方を派遣と言います。
で、この会社に直接雇われてるわけじゃないから、この会社の社員ではないので、責任が少ない代わりに保証もないですね。
そして給料も社員より安いです。
そういう雇用形態、派遣で働いていました。
そしてその頃、生活保護を受給しようとしたけど断られてしまったという出来事もあったそうです。
生活保護。
これは国がやっている制度です。
例えば、怪我とか病気とか障害とか、何らかの事情で働きたくても働けない人に対して、最低限の生活に必要なお金を支給する制度です。
生活保護の申請をして、申請が通ると、国から毎月いくらってお金がもらえるんですね。
被告も当時生活に困窮していたので、生活保護を受給しようと申請しに行ったんですけど、その時は断られてしまった。
「働けるでしょ」「働いてください」と言われて、生活保護をもらえなかったそうです。
無職で生活保護ももらえない。
貯めていた貯金も底をついて、貯金もなくなって、電気やガスや水道も止められて、食べ物もどこかから盗んで食べたりとかするようになります。
被告は裁判の中で、その当時のことを「弱者が切り捨てられる時代だった」と言っています。
弱者、力のない弱い人が切り捨てられてしまう。そんな時代だったと言っています。
その後も、もう何をやってもうまくいかないっていう気持ちをどんどん募らせていて、やけになった被告は、下着泥棒で逮捕されます。
女性の下着を盗んだとして逮捕されます。
これはすぐに釈放されるんですけど、釈放後は、お金もないし行く場所もないということで、母親と、それから母親の再婚相手の男性と同居することになりました。
小学校3年生の時、自分たちを置いて出ていった母親と同居し始めました。
ただ再婚相手から「お前に夢はないのか」と責めるように言われたり「自活しないといけない」自分で自立して生活していかないといけないぞっていう風に言われて、
その家を出たそうです。
それからは派遣を転々としながら生きていきます。
派遣の仕事をちょっとやって、辞めてまた別のとこに行って、またちょっと働いて、辞めて別のとこに行って...転々として生活していきます。
いろんな仕事をすぐに辞めて転々としていた理由について、裁判の中で「自分は底辺だ」底辺っていうのは一番下。社会の底辺。
自分みたいなアルバイトとか派遣は「底辺」だから、社員の人たちは自分たちに良くしてくれないみたいな、そんなことを言ったそうです。
だからもう、ずっとね、一貫して、自分は社会的に弱者で、だから何やったってうまくいかない。
なんかそんなね、気持ちをずっとずっと溜めていったような感じです。
そしてちょうどその頃、リーマンショックが起きます。
リーマンショック。
このあたりの話は次回の動画でさらに詳しく話す予定なんですが、リーマンショックで世界的に不況になりましたね。
はい。
で、会社はリストラしなくちゃいけないですよね。
人員を減らさないといけない。
そうなった時に一番に切られてしまうのは、先ほど被告が「底辺」と表現した派遣やバイトなどの非正規雇用の人たちでした。
正規に雇用されている正社員じゃなくて、非正規雇用のバイトや派遣の人たち。
こういった人たちが真っ先に首にされていったんですね。
切られていきました。
はい。
この頃「派遣切り」と言って、大勢の派遣社員の人たちが仕事や家を失いました。
被告もそんな苦しい状況に置かれた非正規雇用の人の1人だったんですね。
ちょっと詳しくはまた次回の動画で話をします。
で、この頃ですね、2008年なんですが、青葉被告に大きな影響を与える事件が起きました。
秋葉原事件って聞いたことあるでしょうか?
2008年の6月、東京の秋葉原で、街を歩いてる人を無差別に刺して7人が亡くなり、10人が重軽傷を負った事件、秋葉原事件が起きました。
この秋葉原事件を起こした加藤智広被告。
この人も子供の頃から両親が不仲で、この人は母親から虐待を受けて育ちました。
そして短大を卒業した後に、アルバイトや派遣の仕事を転々としていたと言われています。
自分とすごく境遇が似ているということで、この秋葉原事件の犯人に自分を重ね合わせたそうです。
はい。その後、仕事を失った青葉被告は、さっき言っていた生活保護を受けるようになります。
生活保護を受けながら、ネットゲームにはまって1日中1人で家に引きこもってゲームをする。
そういう生活になっていきました。
そしてですね、その頃にこの事件のターゲットになった京アニが制作したアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』を見て衝撃を受けます。
こんなすごいアニメがあるんだ!って衝撃を受けます。
そしてこのアニメ、もともと原作はライトノベルなんですね。
もともと小説があって、それをアニメ化したものだったんですけど、そのことを知って、それをきっかけに小説家を目指すようになりました。
そこから被告の京アニへの執着のようなものが始まるんですね。
その頃、京アニはすごく人気が出始めて、で、2009年の10月に京アニ大賞っていうのを始めました。
コンテストですね。
えっと、一般の人から小説を公募して、募集して、大賞に選ばれたらそれをアニメ化するみたいな。
そういうコンテストが行われるようになりました。京アニが主催して。
そして被告はこれに応募することを決めます。
で、応募するにあたって、色々ね、ネットの掲示板とかで京アニのことを調べ始めたんですね。
その中で、ちょっとね、詳しいいきさつは書かれてないんですが、色々掲示板に書き込みをしている中で、
ある書き込みを、多分京アニでアニメを作っている女性監督本人が書いたものだっていう思い込みをしてしまうんです。
で、そこから自分の妄想の中で女性監督とメッセージのやり取りをするようになるんですね。
妄想ですよ。
本人じゃないんですよ、それ。
それで勝手に妄想の中で、その女性監督に恋愛感情を抱くようになりました。
だけど、そのやり取りの中で、「自分が以前に下着泥棒をした」っていう犯罪歴を相手に知られてしまったとか、
「馬鹿にされている」みたいなことを、またどんどんどんどん勝手に妄想してしまって、それで一方的にその女性監督を恨むようになるんですね。
そういったことがその時期にありました。
ま、さっき言ったその妄想とかって、やっぱりちょっとこう、精神的な何かね、病を抱えているんじゃないかっていう風にも思ったりしますよね。
後にね、精神疾患という風に診断されたりもするんですけど。
えっと、実は中学生ぐらいの時から、幻覚を見たりとかしていたみたいです。ちょっとそういった記述も少しありました。
幻覚っていうのは、実際にないものが見える。
うん。
はい。
青葉被告の生活はさらに困窮していき、孤独もさらに増していきました。
この頃、自殺を試みたりもしていたと語っています。
そしてその後、2012年、コンビニ強盗を起こします。
コンビニ強盗を起こして刑務所に服役するんですね。
でも、刑務所の中でもさっき言ったその京アニのコンテストに応募するために、小説のアイディアをずっと書きためていました。
そして出所後、刑務所から出た後、2016年に小説をついに完成させて京アニ大賞に応募します。
本人としては、7年半もの時間を費やして書き上げた自信作だったんですね。
ただ、この作品が賞を受賞することはありませんでした。
落選しました。
それで裏切られた気分になったと語っています。
その作品をネット上に公開したりしてみたんだけど、全く閲覧された形跡がない、
誰も見てくれないということで、もうすっかり失望してしまった、がっかりしてしまったという風に語っています。
そして、2018年の1月、ずっと書きためてきた小説のアイディアノートを燃やしました。
そしてその後、青葉被告の妄想がどんどんどんどん膨らんでいくんですね。
まず京アニが自分の送った作品、落選したその作品を、落選させておいて、内容を盗用したという風に思い込んでいきます。
パクった。
自分のアイディアを盗んで別のアニメを作ったという風に思い込んでいくんですね。
このアニメのこのシーンは自分のあの作品からパクったものだっていう風に思い込むようになります。
それから、そうそう、自分の小説を落選させて京アニに盗用させたのは、闇の人物のナンバー2の仕業だという妄想をするんですよ。
闇の組織みたいなのがあって、そこのナンバー2の人が自分を監視している。
そして、その人が京アニに指示をして自分の作品をパクらせたんだ。
そういう妄想をどんどん膨らませていって、一方的に、本当に一方的に京アニに恨みを持ちます。
京アニを恨む気持ちをどんどんどんどん募らせていきます。
そして、京アニに復讐しなければいけないと思って放火殺人を決行します。
というのが、被告の生い立ちから京アニ放火殺人事件を起こすに至るまでの経緯です。
裁判の中で語られたという言葉で、すごく印象的だった言葉があるんですけど、読みますね。
小説がつっかえ棒だった。
そのつっかえ棒がなくなったら倒れるしかない。
どうでもいいやと思った。
そう述べています。
つっかえ棒。つまりそれが最後の1本の支えだった。
「小説」というつっかえ棒1本で自分は支えられていた。
で、本人の中では唯一の最後の支えだった小説を、あくまで被告の妄想ですけど、
京アニに奪われたという風に思い込んで、一方的に強い恨みを抱いて復讐をしたということなんです。
裁判の中で自分の半生、それまでの人生を振り返って、こんなふうにも語っています。
あまりに暗い。
京アニは光の階段を上っているように思え、自分は郵便局時代も、郵便局で働いていたことがあったみたいなんですが、
郵便局時代も、コンビニ時代も、派遣時代も、小説も、全て実を結ばずに終わっている。
だから被告の妄想の中では、自分の人生は暗い。
こんなに頑張っているのに報われない。
そして京アニは、自分が頑張って書いた小説をパクって、どんどんどんどん光の階段を上っている。
許せない。
その小説というつっかえ棒が取れてしまった被告は、もう京アニにやり返すしかないという風に考えて、
包丁を6本とガソリン、そしてライターを持って京アニに侵入しました。
今、被告の歩んできた人生を話す中で、派遣切りの話とか、社会的に弱い立場の人の話が出てきました。
次回の動画では、ちょっとその辺の社会問題について、さらに深くお話ししていきたいと思います。
じゃあ今日は一旦ここまでです。
Kyoto Animation Arson Attack #2: https://nihongo-jikan.com/videos/685 References: 『ルポ 京アニ放火殺人事件』朝日新聞取材班 - https://www.amazon.co.jp/dp/4023323810
Image of Kyoto Animation by L26 Licensed under CC BY-SA 4.0 (https://ja.wikipedia.org/wiki/京都アニメーション放火殺人事件#/media/ファイル:Kyoto_animation_arson_attack_1_20190721.jpg)