
今日は「手袋を買いに」というお話をします。
これはきつねの親子です。きつねのお母さんときつねの子供です。お母さんぎつねと子ぎつねです。
ある森にきつねの親子が住んでいました。
お母さんぎつねと子ぎつねが森の洞穴に住んでいました。
今は冬です。
寒い冬です。外は雪が降っています。真っ白な雪が降っています。
子ぎつねが洞穴の外に出ました。
「わぁ!雪だ!」子ぎつねは嬉しそうです。子ぎつねは生まれて初めて雪を見ました。
これまで1度も雪を見たことがありませんでした。
初めての雪です。子ぎつねは雪の上を走り回って遊びました。そして洞窟に帰りました。
子ぎつねの手は冷たくなっています。子ぎつねはお母さんに言いました。
「お母さん、寒いよ。手が冷たいよ。」子ぎつねの手は赤くなっています。
お母さんがフーっと息をかけて、子ぎつねの手を暖めてあげました。
子ぎつねの手は暖かくなりました。
お母さんぎつねは「そうだ!寒いからこの子に手袋を買ってあげよう!」と思いました。
この手袋は小さいです。子ぎつねには小さすぎます。
この手袋は大きいです。
子ぎつねには大きすぎます。
この手袋は丁度いいです。子ぎつねにぴったりです。
「この子の小さな手に丁度いい小さな手袋を買ってあげよう。」と思いました。
夜になりました。きつねの親子は街に手袋を買いに行きました。2匹が街に向かって歩いていると、街の明かりが見えてきました。
子ぎつねが言いました。「お母さん!街の明かりが見えてきたよ!」すると突然、お母さんぎつねの足が止まりました。子ぎつねが言います。
「お母さん、どうしたの?早く行こうよ!」
お母さんは昔のことを思い出していました。
昔、お母さんぎつねは友達と一緒に街へ行ったことがありました。
その時お母さんぎつねの友達が、人間のアヒルを盗もうとしました。
アヒルを盗もうとしたところを人間に見つかってしまいました。見られてしまいました。
人間は怒りました。
お母さんと友達は逃げました。
でも人間が追いかけてきました。
人間に捕まってひどい目に遭いました。
怖い目に遭いました。
お母さんはその時のことを思い出して怖くなりました。お母さんは街が怖いです。
人間が怖いです。
街に行きたくありません。
お母さんぎつねが子ぎつねに言いました。「お母さんはここで待ってるから。手袋を買いに行っておいで。」
そしてお母さんは「手を出して。」と言いました。
子ぎつねが片方の手を出しました。
お母さんぎつねが子ぎつねの片手をギューッと握りました。
ギューッと握ってお母さんが手を離すと子ぎつねの片手が人間の手に変わっていました。片方はきつねの手でもう片方は人間の手です。
子ぎつねはお母さんに聞きました。
「これ何?」「それは人間の手よ。街に行ったらまず帽子屋さんを探すんだよ。帽子を売っている店を探すんだよ。
帽子屋さんが見つかったら、ドアをトントンって叩いて『こんばんは!』って言うんだよ。
ドアが開いたら隙間から人間の手を出して『この手にちょうどいい手袋をください。』って言うんだよ。
必ずこっちの手を出すんだよ。きつねの手は出しちゃダメよ。」と言いました。
子ぎつねは「どうして?なんできつねの手を出しちゃいけないの?」と聞きました。
お母さんはこう言いました。
「人間は怖いのよ。恐ろしいの。きつねには手袋をくれない。
きつねだとバレると捕まってしまうよ。
捕まって檻の中に入れられてしまう。
だから絶対にきつねの手を見せちゃダメよ。」
そう言ってお母さんは子ぎつねにお金を渡しました。
子ぎつねは「わかった」と言いました。
お母さんは「いってらっしゃい!」と言いました。子ぎつねは「行ってきます!」と言って歩いていきました。
帽子屋を見つけてドアをトントンと叩いて「こんばんは。」と言いました。
そして手を出しました。子ぎつねは間違えてきつねの手を出してしまいました。
間違えてきつねの手を出して「この手にちょうどいい手袋をください。」と言いました。
帽子屋さんはきつねの手を見てびっくりしました。
少し考えてからこう言いました。「先にお金をください。」
子ぎつねはお金を渡しました。
帽子屋さんはお金を見ました。
偽物のお金ではなくて本物のお金でした。帽子屋さんは手袋を子ぎつねに渡しました。
子ぎつねは「ありがとう。」と言って帰りました。
人間のお母さんの優しい声が聞こえてきました。
子ぎつねはその声を聞いて、お母さんに会いたくなりました。
お母さんぎつねも子ぎつねのことを心配して待っています。「大丈夫かなぁ…」と心配して待っています。子ぎつねが戻ってきました。
お母さんはホッと安心しました。
そして子ぎつねをギューッと抱きしめました。
2匹のきつねは森に向かって歩いていきます。
帰り道、子ぎつねがお母さんに言いました。
「お母さん、人間は怖くなかったよ。人間は優しかったよ。」
お母さんは「どうして?」と聞きました。
「だって僕、間違えてきつねの手を出したのに、帽子屋さん、僕を捕まえなかったもん。ちゃんと手袋をくれたもん。」
子ぎつねは嬉しそうです。
お母さんは「人間って本当に優しいのかなぁ…」と言いました。
今日はこれでおしまい。
またね!