
こんにちは。
ペッパーとキャロット28話「祝祭」です。
お祝いですね。
今日のお話は前回の続きです。
前回のコリアンダーの戴冠式の続きです。
今まさにお城の中で戴冠式が行われています。
コリアンダーの頭に王冠をのせている瞬間です。
ヘレヴァの3つの月が整列するこの特別な夜。
月が3つ整列してますね。
綺麗に並んでいます。
整列しています。
月明かりがゾンブラの大聖堂を荘厳に壮麗に満たす。
月の明かりがこの大聖堂、この建物を満たしています。
月明かりが入ってきていますね。
ちょっとこの2つの言葉は難しい言葉ですね。
これ「そうごん」と読みます。
荘厳は重々しい、厳かという意味です。
重々しい。
えっと、これ、この戴冠式、カジュアルな雰囲気じゃないですよね。
軽いイベントではないですよね。
すごく重要な大事な戴冠式ですから、重々しい雰囲気です。
はい、「荘厳」は重々しい雰囲気。
「壮麗」も似た意味ですが、「綺麗」の「麗」、「麗しい」というこの文字が入っていますから、重々しくて美しい。
そんな意味です。
月明かりが重々しく、お厳かに、そして美しくこの大聖堂を照らしています。
満たしています。
この魔法の光の降り注ぐ中、私の友達のコリアンダーはクリアシティの女王となった。
その後は祝祭が始まった。
戴冠式終了後、ゲストのみんなでパーティーをしています。
ヘレヴァ全土から全ての魔法の流派と数百人の名士が集まった盛大で巨大なパーティー。
ヘレヴァっていうのは場所の名前、地名でしょうね。
ヘレヴァの全土、ヘレヴァのいろんな場所からいろんな人が集まっています。
魔法の流派。ヘレヴァにはいろんな魔法の流派があるんですね。
ペッパーたちのケイオサーもおそらくそのうちの1つです。
全ての流派の魔女たちが集まっています。
そして名士というのは、その地域で力を持っている人。それぞれの地域の名士たちが集まっています。
たくさんの人が集まった盛大で巨大な、大きいパーティーです。
みんなお酒を片手に談笑してますね。
楽しそうに会話をしています。
外では花火も上がっているみたいです。
そんな中、ペッパーは一人でいます。
何か考え事をしているようにも見えます。
どうしたんでしょう?
目を閉じていたんですけど、「はっ!」って、何かに驚いたみたいです。
目を開けました。
どうしたんでしょう?
キャロットでした。
キャロット、あなたね。
キャロットだったのね。
キャロットはペッパーにすりすりしています。
すりすりってしてます。
少し考え込んでて気が付かなかった。
ペッパー、やっぱり何か考え事をしていたんですね。
寒くなってきたから中に戻るつもり。
寒くなってきたから私もう戻るね。
キャロットはちょっと寂しそうです。
するとなんかみんなが突然騒ぎ出しました。
よく見ると、メモとペンを持った人とかカメラを持った人、それからマイクを持った人もいます。
「急げ!彼女だ!
急がないと!彼女が来てる!」と言いながらみんなが向かった先には...これなんですか?
馬車ですかね。
馬車。馬の車と書いて馬車です。
馬車みたいですけどこの車を引っ張っている動物は、馬じゃなくてペガサスですね。
翼がついているペガサスです。
飛んできたみたいです。
そしてこの紫の車から降りてきたのはサフランです。
パシャパシャパシャパシャ。パシャパシャパシャ。みんな写真を撮ってそしてマイクを向けています。
さっきの人たちは新聞記者やレポーターだったんですかね。
サフラン様、私たちのクアシティデイリーにお言葉をお願いできますか?
クアリシティデイリー、これは多分この町、クアリシティの地元の新聞でしょうね。
その記者です。
この人、新聞記者です。
何かお言葉お願いできますか?
「何か一言お願いします」と言って、サフランにマイクを向けています。
ええ喜んで。
サフラン様、ヘレヴァスタイルガゼットです。
なんか雑誌の名前でしょうか。
今夜の服装はどちらのデザイナーですか?
どこのブランドの服ですか?
サフラン、すっかりセレブですね。
人気者です。
それを見てペッパーは複雑な表情をしています。
分かるでしょう?キャロット。
どうして沈んだ気持ちになるのかって。
ペッパー気持ちが沈んでいます。
落ち込んでいます。
なんで沈んでいるんでしょう?
友達はみんな成功してる。
時には思うの。
時々思うの。
その成功のひとかけらでも自分にあればって。
確かにペッパーの友達はみんなそれぞれ成功してますね。
コリアンダーは女王で、サフランはリッチなセレブ。
サフランは今やお金持ちで有名人です。
人気者です。
そしてシチミも自分の流派でしっかりしてる。
これがシチミですかね。
シチミも魔女として頑張ってる。
しっかり頑張ってる。そしてうまくいってる。
でも私は?
私にあるのは?
ペッパーはちょっと友達と自分を比べてしまっているんですね。
みんなはうまくいってる。
私は駄目って、周りと比べて自信をなくしてしまっているんですね。
私にあるのはこれだけ。
ここにはペッパーの教母様たちがいます。
クミン、この人、クミンはこのパーティーのために用意された食事を一人で頬張っています。
そしてタイムはこのワインを運んでいるウェイターと踊ろうとしています。
そしてカイエンは、これなんですか?
黒い怖そうなオーラを出して立っています。
他のゲストたちはこの3人を見てちょっと引いてますよね。
みんなちょっと「え...」って引いてます。
そしてペッパーは同じケイオサーの魔女としてちょっと恥ずかしいです。
恥ずかしそうにしています。
顔が赤くなってますね。
友達はみんなそれぞれ立派にやってるのに、私はこれ?
ペッパーはそれで考え事をしてたんですね。
一人でちょっとパーティーの会場から離れてベンチに座って、また考えています。
これはシチミでしょうか?
シチミがペッパーに気付きました。
そして「ペッパー?」と声をかけてくれました。
「食べ物をまとめて取ってきたの。一緒にどう?一緒に食べない?」と言って、ペッパーの隣に座りました。
食事をするのにこそこそしないといけないなんて変よね。
でも人間らしい基本的要求のない純粋な精霊のように振る舞うべしという教えだから。
基本的要求、もしくは基本的欲求とよく言うと思います。
欲求というのは欲しがる気持ちですね。
人間がみんな持っている基本的な欲求。
例えば食べたいっていう食欲、寝たいっていう睡眠欲。
そういうみんなが持っている基本的欲求がありますよね。
でもシチミたちの魔女のグループ、シチミたちの流派では、そういう欲求を持っちゃいけない、人間らしい欲求を持っちゃいけないという教えなんだそうです。
そんな欲求のない、純粋な綺麗な心の精霊のように振る舞いなさい。
振る舞うというのは行動するということですね。
そういう教えなんだそうです。
そういう風に教えられています。
だからシチミはご飯を食べるときも、みんなの前で堂々と食べられない。隠れてこそこそ食べなくちゃいけない。
そんなの変だよね、おかしいよね、と不満を言っています。
そこにサフランが来ました。
あらここにいたのね。ここにいたんだ。
やっとカメラマンたちがいないところに来られた。追いかけられて嫌だったのよ。
今度はこの影、誰の影でしょう?
コリアンダーですね。コリアンダーが来ました。
カメラマン?こんなものを頭にのせたまま政治家の退屈な議論から抜け出そうとする方が大変よ。
女王になったコリアンダーは政治家とかとも話をしなくちゃいけないんですね。
退屈な、面白くない、つまらない話をしなくちゃいけません。
その議論から抜け出してくるの大変だったんだから。
ポリポリと頭を書いています。
そんな3人の話を聞いて、ペッパー、何を思ったでしょうか?
ペッパーの目から見るとすごくうまくいってて、成功してて、幸せそうに見える3人ですけど、実はみんなもそれぞれの大変さがあるんですね。
そんなことをもしかしたら思ったかもしれません。
なんか考えていますね。
ところでペッパー、あなたの教母様たちに初めてお会いしたの。
本当に特別な方々ね。
特別な人たちだね。
ペッパー、はっとします。
私はね、あなたは恵まれていると思うの。
恵まれているっていうのは、あなたは幸せだよ、ラッキーだよ、そういう意味ですね。
例えば、えっと、まぁある程度お金もあって幸せな家庭、幸せな家に生まれた子。
そういう人を「恵まれた家庭に生まれた」って言ったり、逆にすごく大変なお家に生まれた人は「恵まれない環境に生まれた」って言ったり。
家だけじゃないですね。家庭だけではなくて、仕事をする環境も、「恵まれた環境で仕事ができる」とか、
それから、まぁ私たちは、恵まれた時代に生まれたと言えるかもしれません。
はい、恵まれた、ラッキーな、幸せなという意味ですね。
「ペッパーは恵まれてるよ」って友達が言います。
あの方たち、つまり教母様たちですね。
教母様たちはあなたを自由にさせているのでしょうから。
コリアンダーは王様の家に生まれたので、まぁ自由ではないかもしれないですね。
例えば、もうこの家に生まれたら、絶対に女王にならなくちゃいけない。
自由がないですよね。好きなようにはできないですよね。
だからコリアンダーから見ると、ペッパーはすごく自由にさせてもらってる。
「あなた恵まれてるね」そんなことを言っています。
ペッパーは、はっとしています。
例えば外交に一喜一憂せず、どうでもいい格好つけと茶番に屈することのない毅然としたあの姿。
周りの目を気にすることなく、自由に踊って楽しんでいたのも素敵と思う。
誰かが見ていると恐れることなく、ビュッフェの全ての食べ物を楽しむのも羨ましい。
はい。3人とも、このペッパーの教母たちのことをすごく褒めています。
ちょっとここ難しい言葉がたくさん出てきましたね。
ちょっとシンプルに説明をします。
「外交」は、外国の国との付き合いのことです。
「一喜一憂」は、喜んだり悲しんだり、喜んだり悲しんだり、気持ちが上がり下がりすること。
どうでもいい格好つけ。格好つけ。
格好つけるっていうのは、かっこよく見せるってことですね。
で、「茶番」は、バカバカしいこと、馬鹿らしいこと。
「屈する」。屈するっていうのは、もともと「折れ曲がる」という意味です。
屈する、折れ曲がる。
「毅然とする」。これは動じずに堂々としている。
これを毅然としていると言います。
これ、どういうことかというと、このパーティーにはいろんな場所からいろんな人たちが集まってきてますから、
きっと他のゲストはみんな、他の地域の人と仲良くなろうとか、何かの交渉をしようって、外交にみんな忙しくしているんでしょうね。
みんな外交のためにちょっとかっこつけたり、茶番のようなバカバカしいやり取りをしたりしています。
でもカイエンは、さっきね、一人で黒いオーラを出してました。
カイエンはそんな周りのことなんて気にしない。
「自分は自分!」みたいな感じで毅然としている。
それが素敵ってコリアンダーは思っているみたいです。
タイムも人目を気にせず、周りの目を気にせず自由に踊って楽しんでて素敵。
そしてクミンも同じように、人目を気にせず、食べ物を好きに楽しんでていいなあ。素敵。
3人はそう言っています。
さっきペッパーは、そんな教母様たちの姿を見て「恥ずかしい」って思ってたんですよね。
でも友達は「素敵だね」って言っています。
ペッパー突然泣き出しました。
ペッパー大丈夫?
私たち何か気に障ること言ってしまった?
「気に障る」っていうのは、嫌な気持ちになるってことです。
「何かペッパー、嫌な気持ちになるようなこと言っちゃった?」って
3人が心配してます。
でもペッパー顔を上げて「その反対。ありがとう。感謝してる。」と言って走って去っていきました。
そしてペッパーが向かった先はやっぱり3人の教母様たちのところでした。
キャロットも嬉しそうです。
「続く」となっています。
また次回に続きます。
じゃあ今日はここまでです。
https://www.peppercarrot.com/ja/webcomic/ep28_The-Festivities.html Creative Commons Attribution 4.0 Internationalライセンス 帰属: アート: David Revoy. シナリオ: David Revoy. ベータリーダー: CalimeroTeknik, Craig Maloney, Martin Disch, Midgard, Nicolas Artance, Valvin. 翻訳: [日本語] guruguru. 協力: Hồ Nhựt Châu.