
こんにちは。
ペッパーとキャロット、エピソード35「鏡像」です。
鏡の像と書いて鏡像です。
鏡に映った姿ですね。
前回のお話の続きです。
前回の内容を覚えてますか?
前回はシチミの叙勲式の話でした。
この人、ワサビ様にけしかけられたシチミが、ペッパーに攻撃してきたりしました。
で、最終的には、最後には、ワサビ様がアーの魔女たちに「あいつを捕まえろ!」と言って、で、ペッパーは箒に乗ってこの叙勲式の会場から逃げていきました。
その続きです。
ここにいるのがペッパーですね。
後ろからアーの魔女がドラゴンの背中に乗って追いかけてきています。
ペッパーは逃げながら、叙勲式での出来事を思い出して色々と考えています。
考えていたら涙が溢れてきました。
その時、後ろで「ふわぁ〜」あくびが聞こえました。
あれ?お目覚めね。
目覚めるっていうのは、目を覚ます、起きるってことですね。
後ろで寝ていたキャロットが目を覚ましました。
大丈夫?寒くない?
ペッパーが涙を拭いながらキャロットに聞きます。
ごめん、もうすぐリアが切れそう。
リアが切れそう。なくなりそう。
このリアっていうのは前回のお話にも出てきましたね。
リアが切れそう。魔法が切れそうってことですかね。
オーラも弱ってきて、この寒さから守れないの。
このオーラが弱ってきています。
弱くなってきています。
ペッパー大丈夫でしょうか。
もうすぐ加速もできなくなりそう。
加速するっていうのは、ビュンって一気にスピードを上げること。
加速する。加速もできなくなりそう。
でも、あのドラゴンと乗り手は何時間も何時間もスピードを保ってる。
あのドラゴンと乗り手、乗っている人は、もうずっと何時間も速度を保って、一定のスピードで、
速くなったり遅くなったりするんじゃなくて、ずっと一定の速度で追いかけてきています。
だから、私たちがペースを落としたら、すぐ捕まっちゃう。
向こうはずっと一定の速度で追いかけてきているから、ペッパーたちがもし速度を落として、ゆっくりになったら追いつかれて捕まっちゃう。
私バカだった。
すぐに諦めてしまうと思ったのに。
つまりペッパーは、まぁあのドラゴンたちもすぐ諦めて「ああ、やっぱり無理だ。追いつくの無理だ。捕まえるの無理だ。」って諦めて、
追いかけるのをやめて帰っていくと思ってました。
すぐ諦めるだろうって思ってました。
だけど、そうじゃなかった。
私バカだった。
私の考えが甘かった。
そうやってペッパーがどんどんどんどんネガティブな考えになっていくのを見て、キャロットも心配そうです。
後ろで心配しています。
「ペッパー落ち着いて」って心配してますね。
なんとかうまくまければいいんだけど。
まくっていうのは、ここでは、相手に気づかれないようにうまくはぐれるということです。
この人たちがついてきているんだけど、この人たちにバレないように、気づかれないように、うまいこと、
例えばちょっとこの雲の後ろに隠れて、で、ドラゴンが通り過ぎたら反対方向に飛んでいくとか。
そんな風に相手にバレないようにうまく逃げること。
それが「まく」です。
なんとかうまくまければいいんだけど。
でもペッパーは「いや、それじゃダメだ」って思い直しました。
それじゃ足りない。
ただまくだけじゃダメだ。
まいて逃げるだけじゃダメ。
あの2人を倒さないと。
捕まえられる前に倒さないと。
そう思い直しました。
でも私、すごく疲れた。
だんだん力がなくなってきています。
疲れてもう今にも寝てしまいそうですね。
もう力が抜けてヒューって落ちそうになりました。
落ちそうになったけど、「あ、いけない。しっかりしなきゃ、ペッパー。」パッて目が覚めましたね。
落ちそうになったところで目が覚めて戻りました。
そして、「しっかりしなきゃ、ペッパー。」って自分自身に言い聞かせています。
「しっかりしろ、私。」って自分に言い聞かせています。
後ろから追いかけてきている魔女とドラゴンです。
今のあれ見えた?
今の見た?
あれっていうのはこれのことですね。
今、落ちそうになったの、見た?
この2人もペッパーのリアが切れそうになっていることに気付きました。
力が弱くなっていることに気付きました。
今の見た?
ああ、この追跡劇ももうすぐ終わる。
追跡劇と言っています。
劇。劇というのはこういうのですね。
演技をすることです。
普通、劇って言ったら演劇のことです。
追跡劇。
今ペッパーたちは劇をしてるわけじゃないですよね。
これは劇ではないんですけど、でもここでは、この一連の出来事、ペッパーが逃げてそれを追いかけるっていう
この一連の騒動、一連の出来事を、劇に例えて「追跡劇」と言っています。
間もなく、もうすぐ、魔力切れになりそうだ。
もうすぐ魔法の力が切れそうだ。
さっきペッパーが落ちそうになったのを見て、「ああもうすぐ魔力切れだ。そろそろ追跡劇も終わりだな。もうすぐ追い付けそうだ。」と話しています。
そうなったらすぐに攻撃よ。
この人たち、ペッパーに追いついたらすぐに攻撃するつもりです。
ペッパーはどんどん力が弱まっていって、ふっと居眠りをしてしまいました。
一瞬、居眠りしてしまいました。
その時、ドーンと音がしました。
その音に驚いて、パッと目が覚めました。
うわ!
音の壁を打ち破ったの?
音の壁っていうのがあるみたいですね。
それを打ち破ったの?
それで「ドーン」って音がしたのかな?
ペッパーはそう思ったんですけど、その音の正体はドラゴンでした。
グワ!爪を立ててペッパーを襲ってきます。
うぅぅ。捕まってキャロット。しっかり私に捕まってて。
雨まで降り出しました。
ドラゴンが大きな口を開けて襲ってきます。
もうどうすればいいの?
ペッパーは必死で逃げています。
その時「あ!」ペッパーが何かを見つけました。
何を見つけたんでしょう?
あれは角の湖の洞窟ね。
角は頭に生えてる角ですね。
鬼の頭に生えてるような角の湖の洞窟。
ここに穴がありますね。洞窟です。
キャロット、これチャンスかも。私たちのチャンスかも。
この洞窟のこと知ってるの。
ペッパーによると、洞窟の中はこんな風になっているんだそうです。
長い風穴になっていて、最後は行き止まり。
これ以上先には進めない。
行き止まりです。
行き止まりになっています。
崩落した、崩れた場所に鍾乳石があって、トゲの壁になってる。
鍾乳石っていうのはこういうものです。
洞窟の中にこういうのありますよね。
これが鍾乳石です。
ここの崩れた部分に鍾乳石があって、トゲのようになっている。
トゲ。
尖ったものをトゲと言いますね。
ここが鍾乳石でトゲトゲになっています。
トゲの壁になっています。
死の罠というわけ。
死の罠。
この罠にかかったら死んでしまう、死の罠になっています。
私たちが抜け出せる小さな抜け穴はあるんだけど、ドラゴンの減速は間に合わない。
全速力でトゲの壁に衝突するはず。
アハハハ。
ペッパーとキャロットは、ここの穴から、小さな穴からヒュッと抜け出すことができます。
ここに抜け穴があります。
でもドラゴンたちはこれを知らないので、全速力で、すごく速いスピードで突っ込んできて、
ここで「やばい!」って気づいて減速、つまりスピードを落としても、もう間に合わずにそのままここに突っ込んでしまいます。
そしてこのトゲに刺さって死んでしまいます。
これがペッパーの作戦です。
ペッパーはこの作戦でいくみたいです。
いいわ、追いかけてきてる。
今この穴に入ったところですね。
はい、今この穴に入ったところです。
今のところペッパーの作戦通りです。
この作戦通りですね。
ペッパーはそのまま前に進みます。
よし、作戦通り。
もうすぐやっつけられる。
もうすぐ倒せる。
とっても楽しみ。アハハハハ。
ペッパーは笑っていますが、キャロットは後ろで悲しそうな顔をしています。
なんででしょうか?
キャロットはこの水面に映ったペッパーの姿を見ています。
見てください。すごく怖い顔をしてますね。
まるで悪魔のような顔をしています。
ペッパー自身も水面に映った自分の顔を見て「ハッ」って気が付きました。
「ハッ」って我に帰りました。
待って。これが私?人を殺そうとしてる。
今この2人をここに突っ込ませて殺そうとしてましたよね。
2人が死ぬのが楽しみと言って笑っていました。
え...私ってそんなひどい悪い魔女なの?
ふと我に返って、これまでのことを思い出しています。
そして「え...私こんなひどい魔女になるために今まで頑張って修行してきたの?」変わってしまった自分の姿にショックを受けています。
考えているうちに洞窟の奥まで来ました。
洞窟の奥はトゲの壁になっています。
ここに突っ込んで死んでしまったドラゴンたちの骨もありますね。
これが抜け穴でしょうか。
元々のペッパーの作戦では、自分たちだけこの抜け穴を通って外に出るはずでしたね。
そしてドラゴンたちはここに突っ込ませて殺す作戦でした。
でも、違う。私はそうはならない。
私は悪い魔女にはならない。
ペッパーは思い直しました。
そしてくるっとUターンして、「止まって!降参するから!」と叫びました。
降参するっていうのは、「私の負けです。私が負けました。」と負けを認めることです。
「降参するから止まって!」と言ってドラゴンたちを止めました。
さっきまで嵐だったのが、雨が止んで朝になりました。
さっきまでペッパーを追いかけてきていたドラゴンたちと、焚き火を囲んで話をしています。
お茶を飲みながら話しています。
マスターワサビに降伏してもいい結果にはならないと分かってる?
降伏はさっきの降参と同じような意味です。
自分の負けを認めて相手に従う。
「私が負けました。」と言って相手の言うことを聞く。これが降伏です。
ワサビ様に降伏してもいい結果にはならないよ。
いいことはないよ。
分かってる?
ええ。
うん、わかってる。
でもそれでもワサビ様の心に触れて分かってもらうことも不可能じゃないと思うの。
心に触れる。これは心を動かすということですね。
わあって感動したり、気持ちを揺さぶられること。
つまりペッパーが「私の負けです」って降伏することで、ペッパーの気持ちがワサビ様に届いて、ワサビ様が分かってくれる。理解してくれる。
その可能性もゼロじゃないと思う。不可能じゃないと思う。
修復できないものは存在しないって、長年の友達から学んだから。
修復は、何か壊れたものを修理して直すこと。元に戻すこと。
直せないもの、元に戻せないものはない。
「一度壊れてしまっても必ず修復できる、修復することは可能」って友達から学んだと言ってシチミのことを思い出しています。
そこへキャロットが何かを持ってきました。
ペッパーの帽子を被って、ペッパーの箒に乗っています。
白い風呂敷に何か赤いものを包んで、口に咥えて持ってきました。
キャロットに着替えを取りに行かせてくれてありがとう。
これはペッパーの着替えだったんですね。
キャロットが着替えを取ってきてくれました。
どういたしまして。
この任務を楽にしてくれたせめてものお礼ってところ。
この任務、任務は仕事です。
この「ペッパーを追いかける」というこの人たちの任務が楽になりましたね。
ペッパーが戦わずに降参したので、この人たちの仕事は楽になりました。
すぐ簡単に終わりました。
だからそのお礼と言っています。
でもそうね、ワサビ様はお怒りだわ。
怒ってるよ。
ワサビ様は完璧を求めるお方なのに、あなたは汚れと服装とあの登場で台無しにした。
それに攻撃までしたのだから。
簡単には許されないと思う。
ワサビ様は完璧を求める人なんだそうです。
完璧を求める。
何でも完璧じゃなくちゃいけない、パーフェクトじゃなくちゃいけない人なのに、ペッパーは汚れた状態でこんな服装で、しかもこんな登場の仕方をしました。
汚れと服装とあの登場で、完璧なはずだったシチミの叙勲式を台無しにしました。
ダメにしました。
ペッパーのせいで完璧じゃなくなってしまいました。
それにわさび様に攻撃までしましたね。
「だから簡単には、そんなすぐには許してくれないと思う」とこの魔女が言っています。
ええ。
うん、そうだよねそれは分かってる。
とにかくちょっと昼寝させて。
起きたら出発。
遠くに行かなければ自由にしていて構わないから。
構わないっていうのはしていいよってことですね。
だから「私がちょっと昼寝して休憩してる間、遠くに行かなければ、この近くだったら、
近くにいてくれれば自由に好きなことしていいよ。」って言ってこの人は昼寝をします。
お昼になりました。
昼寝してた彼女が目を覚ますと、ペッパーは湖に入ってこの草を取って体をゴシゴシ洗っています。
これをゴシゴシ擦って落としています。
本当に面白い魔女ね。
ペッパーは本当にユニークな、他にはいない、他の魔女とは違う面白い魔女ですね。
ペッパーが腰に手を当てて湖の縁に立っています。
これからどんな危険やチャレンジが待っていても、私は私のままでいる。
そう誓う。
私は私のまま変わらずに、私らしくいたい。
そう思ったんですね。
そして、湖の水面に移っているペッパーはいつものペッパーの姿です。
さっきのあの恐ろしい悪魔のような姿じゃなくて、いつものペッパーに戻っていました。
キャロットも嬉しそうです。
そして、ドラゴンの背中に乗って飛んでいきました。
シチミとワサビ様がいるアーの国に戻るんですかね?
お話はまた次回に続きます。
今日はここまでです。
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